「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)は、
安全性が評価されたうえで製造販売されているよ!

安全性や上手な使い方について
詳しく紹介します。

家庭用殺虫剤(虫ケア用品)って
どんなもの?

「殺虫剤」(虫ケア用品)とは、ハエゴキブリダニクモなどの害虫を駆除する製品です。

そのなかでも「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)とよばれる製品は、スーパーやドラッグストアなどで簡単に手に入れることが可能です。そのため私たちの生活において身近であり、家の中やその周辺にいる害虫を駆除する際、頻繁に使用される傾向にあります。

害虫と一言で言いますが、薬機法などの法律によって、いくつかに分類されています。

衛生害虫 感染症の原因である病原体を運んだり、アレルギー疾患を引き起こすことにより、私たちの健康を脅かす害虫として薬機法で定められた害虫 ハエゴキブリノミトコジラミ(ナンキンムシ)イエダニ屋内塵性ダニ類(ヒョウヒダニ、コナダニなど)シラミ
不快害虫 衛生害虫、園芸害虫以外の害虫で、多くの人が不快感を持つ害虫や、人を咬んだり刺したりして害を与える衛生害虫以外の害虫 アリハチムカデダンゴムシワラジムシカメムシクモなど
園芸害虫 農業害虫の一部に含まれる害虫で、家庭園芸で栽培されるお花や庭木、野菜などに害を与える害虫 アブラムシ、ケムシなど
虫博士

「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)は、専門業者が使う製品ではなく、一般の人が使う製品だからこそ、
その効果もさることながら、使い方が簡単で、安全性が高くなくてはなりません。

家庭用殺虫剤(虫ケア用品)の
安全性評価は?

「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)のうち、ハエ、蚊、ゴキブリなどの「衛生害虫」の駆除を目的とした製品は、薬機法に基づき医薬品や防除用医薬部外品の承認を受けなければ製造販売できません。

その際に、安全性に関しては、急性毒性、亜急性毒性、遺伝毒性、刺激性、感作性(アレルギー性)などの数多くの安全性試験結果から、厚生労働省が厳しく審査を行い、一般の人が使用しても安全であることが確認されたうえで、製造販売できるようになります。

「不快害虫」用の「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)も、薬機法の審査に準じて各製造メーカーが厳しく安全性評価を行い、そのうえで製造販売しています。

そして、「園芸害虫」用の「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)も、農薬取締法に基づいて、農林水産省が厳しく審査を行い、安全性が評価されたうえで製造販売されています。

虫博士

「殺虫剤」(虫ケア用品)という名前から「強い毒物」を連想されがちですが、
「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)は、一般の人が普段使用し、かつどこでも簡単に手に入れられるものだからこそ、
安全性についてしっかりと評価されて製造販売されているのです。

ピレスロイド系の殺虫成分の
安全性について

虫博士

「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)には、
さまざまな殺虫成分が使用されていますが、そのなかでも
最も多く使用されているのがピレスロイド系の殺虫成分です。

これは、蚊とり線香の原料として使用されたシロバナムシヨケギク(除虫菊)の花に含まれる成分(ピレトリン、ジャスモリン、シネリン)とよく似た作用・構造の化合物のことで、害虫に対して殺虫効果や忌避効果を示すことから、古くから「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)の殺虫成分として使用されています。

そして、ピレスロイド系の殺虫成分の特長は、以下に示すように「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)の主成分として適しているといえます。

ピレスロイド系の殺虫成分の特長
  • 速効性で、早く効果があらわれる
  • 物陰から害虫を飛び出させる効果(フラッシングアウト)がある
  • 忌避効果がある
  • 人に対して毒性が低く安全である
  • 自然界における分解が速く、環境にやさしい

また、ピレスロイド系の化合物にはいろいろあり、それぞれの特長をいかして、様々な「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)の殺虫成分として使用されています。

家庭用殺虫剤(虫ケア用品)に使用されているピレスロイド系の殺虫成分の例

アレスリン、フェノトリン、メトフルトリン、トランスフルトリン、イミプロトリン、ペルメトリン etc.

それでは、人に対する安全性は、どうでしょうか。
ピレスロイド系の殺虫成分は、虫の神経系に作用して殺虫効果を示すものです。しかし、人を含む哺乳動物に対しては、分解酵素の働きで速やかに代謝され、尿などで短期間に体内から排出されてしまいます。そのため、人を含む哺乳動物には安全性が高いといえます。
アースノーマットアース渦巻香のような、室内で長時間使用する製品についても同様です。

さらに、安全性を考えるうえで、人と害虫の体重差も大きく影響します。
例えば、蚊の体重は約2~3mg、害虫の中では大型のクロゴキブリでも体重は1gほどしかありません。「家庭用殺虫剤」は、このような小さな害虫を駆除するために、極めて微量な殺虫成分しか使用しておらず、人は害虫に比べると、数万、数千万倍も体重があるため、このことからも安全性が高いといえます。

これらのことから、「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)は、一般の人が身近で使う製品で、近所のお店で簡単に手に入れることができ、使い方がやさしく、安全性が高いといえます。

殺虫剤(虫ケア用品)の
上手な使い方は?

虫博士

「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)はとても安全な製品ですが、そうはいっても、
使用方法や使用上の注意を守って正しく使う必要があります。

また、いくら安全性が高いといっても、過剰に使う必要はありません。そこで、「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)を使うときに注意すべき事項をまとめてみました。

害虫の種類

害虫にはそれぞれの生態があります。「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)は、害虫の生態を研究して、その害虫を駆除しやすいように作られています。駆除したい害虫が、適用害虫として表示されている「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)を選びましょう。

使用場所

「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)には使用に適した場所があります。また逆に、使用してはいけない場所もあります。どこにいる害虫を駆除したいのかを考え、その場所にあった「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)を選びましょう。

使用時期

「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)には、使用に適した時期があります。害虫の発生する季節や活動する季節に使用すれば、効果的に駆除することができます。害虫ごとに、効果的に駆除できる時期を選んで使用しましょう。

使用量

「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)には、適切な使用量が定められています。安全性が高いからといって、過剰に使用したとしても、効果が格段に高まるわけではありません。過剰な使用はひかえ、適切な使用量を心がけましょう。

これらはすべて、製品の説明に書かれています。必ずご一読のうえ、効果的に使用してください。