アリの種類
アリには、ミミズや虫の死骸を運んでいるアリ(雑食性)と、溶けた砂糖や植物に寄生しているアブラムシが分泌する蜜などを好むアリ(吸蜜性)がいます。
雑食性のアリ
- 虫の死骸を好んで食べる。(蜜もなめる)
- エサを持って運ぶ。
- 民家周辺に多い。
吸蜜性のアリ
- 砂糖や蜜を好んでなめる。
- エサを持って運ぶ習性は弱い。
- 雑木林などの周辺に緑のあるところに多い。
アリの生態
アリの生態は様々で、1~2ヵ月で卵から幼虫、さなぎを経て成虫へと成長。基本的には、1つの巣に女王アリ1匹いて、春から初夏にかけて卵を産み続けます。夏にはオスとメスの羽アリが羽化して結婚飛行に出かけ(6月以降)、新たな場所にコロニーを作るのが特徴です。この羽アリはシロアリの羽アリとは別であり、シロアリの羽アリは4~6月に見られます。
アリは社会性を持った昆虫で、女王アリを中心に全てのアリが役割を持って集団で生活しています。そして、化学物質(フェロモン)で仲間と情報交換をし、餌の場所や危険を知らせているのです。
巣の外に出ているアリはほんの一部にすぎません。大部分(約97%)は巣の中で活動しています。見つけたエサは、消化吸収をせずエサの持ち運び用として使う体内組織「社会胃」にためていったん巣に持ち帰り、仲間に分け与えます。
アリの害
アリは、屋内に侵入して砂糖やお菓子などに集まったり、時には人に咬みついたりすることがあります。近年被害報告が多いのは外来種のイエヒメアリで、土がないところでも巣を作ります。家の中のちょっとした隙間や壁紙の裏などに巣を作って大繁殖するため、駆除が非常に難しいアリです。
強力な外来種「アルゼンチンアリ」
国内では1993年に広島県廿日市市で初めて生息が確認された、南米原産のアリです。体色は茶褐色で、比較的小型(2~3mm)。とてもすばやく動き回ります。
1つの巣にたくさんの女王アリがいて繁殖力がとても強く、食欲旺盛で雑食。大軍団を形成するのが特徴です。土の中だけでなく、枯葉の下、カーペットの下など、どんなところで巣を作る上、攻撃性が非常に強いので在来種を駆逐して生態系を破壊します。
地面の上に直接物を置くと、その下が営巣場所になります。屋外に、マット、植木鉢、ブロックなどを置かないようにしましょう!
外来種「ヒアリ」の生態と被害
ヒアリは南米中部が原産で、現在はアメリカ、中国、オーストラリアなどの環太平洋沿岸諸国に定着している小型のアリです。体長は2.5mm~6mmとバラつきがあり、赤茶色で、腹部は濃く黒っぽい赤色をしています。
草地など比較的開けた環境に生息し、土でアリ塚を作ります。
刺されると火傷のような激しい痛みを生じます。毒性が強く、毒針で刺されるとアレルギー反応で死にいたる危険性があります。