猛暑で急増?スズメバチのターゲットにされないための賢い選択とは?
- ハチ
- 2017/08/23
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日本に生息する代表的なハチと言えば、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチ。その中でも攻撃性が強く、最も危険とされているのが、スズメバチです。刺されたことによって毎年死者が出ている恐ろしい敵。ですが、敵を知ることでリスクを軽減できます。被害に遭いにくい時期やポイントとは…?
どんな場所にどんな巣を作る?
スズメバチとアシナガバチの巣の見分け方。
ハチは、アリに近縁の社会性昆虫。小さいミツバチは分かりやすいですが、アシナガバチとスズメバチの見分けがつかない方もいるのでは?アシナガバチはその名の通り足が長いのが特徴。細身でスレンダーですが、飛ぶスピードはそれほど速くなく、フラフラと飛びます。一方のスズメバチは、動きがスピーディ。攻撃性・威嚇性が強く、巣に近付くだけで危険です。
全国的に被害が増えてきていて都市部でも普通に見かけるのは、キイロスズメバチ。女王バチの体長は25~30mm、働きバチは17~25mm、オスのハチは22~24mmほど。黄色と黒の縞模様のカラダが特徴です。
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昆虫やクモを狩ったり、人間の残したジュースや肉類に集まったり、柿やぶどうなどの熟した果実を摂取したり…幅広い食性を持ち、出没エリアも広範囲に及びます。バーベキューやガーデニングは、ハチがいないかを確認してから楽しむようにしましょう。
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どんな場所に巣を作りやすいかというと、前年にハチの巣を作られた場所や玄関・軒下などです。最盛期には働きバチが1,000匹を超える巣も!この時期は巣を守ろうとするため攻撃的なので、巣に近付かないようにしてください。
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巣のカタチを見れば、スズメバチの巣なのか、アシナガバチの巣なのかは、一目瞭然。スズメバチの巣が球形で育房が見えないのに対し、アシナガバチの巣は育房がむき出しのためハチが群がっていることが多いです。
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ハチのライフサイクルを学べば、分かる?
被害に遭いやすい時期や駆除のタイミング。
スズメバチの被害のほとんどは4~11月にかけてで、その中でも7~10月に被害が増大します。なんとなく春夏に見かける印象があるかと思いますが、それもそのはず。なぜなら…
4~5月になると冬眠から目覚めた女王バチが単独で巣作りができそうな場所を探しはじめ、5~6月に巣作りを開始して産卵。7月頃から徐々に巣が大きくなり、働きバチが増加するこの時期は攻撃性が高くなります。9~10月頃に巣の大きさが最盛期を迎えるため、この時期に被害も増大するというワケです。
ちなみに、子孫を繁栄させるために10月頃に新女王バチは誕生しますが、越冬できるのはこの新女王バチのみで、前任の女王バチも働きバチもオスのハチも、寿命や寒さのせいで冬を越すことはできません。
駆除のタイミングの狙い目は、冬眠から目覚めた女王バチが単独行動している時期!冬眠から目覚めたばかり女王バチは体力が落ちていて、通常より攻撃性が弱くなっています。おなかが減るとパワーが出ないのは、人間もハチも同じようです。
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自分でもできるハチの退治方法。
直径25㎝以上の大きな巣には置くだけで巣ごと壊滅できる「駆除エサ剤」を。
ハチや巣を駆除する際に使われるものとしては、エアゾールタイプの殺虫剤が一般的。遠くにいるハチや巣を狙い撃ちできるものや、ハチが巣を作りそうな場所に予め薬剤をスプレーしておくだけで巣作りを予防できるものがあります。その他、吊るすだけのハチ捕獲器や置くだけでハチの巣を駆除できるアイテムも。使用方法をよく読み厳守しながら使用してください。
- スズメバチ駆除のポイント(エアゾール)
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- 1.日没後に行なうこと。
- 2.防護服などを着用すること(防護服を貸し出している自治体もあります)。
- たっぷり殺虫剤を使い、処理後の巣は破れにくい厚手の袋に入れること。
- アシナガバチ駆除のポイント(エアゾール)
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- 1.白い服装にすること(黒いものを攻撃してくるので白の帽子も忘れずに)。
- 2.できる限り肌の露出を少なくしておくこと。
- 3.夕暮れ時から明け方に行なうこと(ハチの活動が活発ではないため)。
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大型化したスズメバチの巣の駆除は大変危険なので、直径25㎝以上の巣は『ハチの巣コロリ スズメバチ用駆除エサ剤』を使用するようにしましょう。また、巣の場所がわからない場合でも効果的に巣を駆除できます。
運悪く“ハチ遭わせ“。
スズメバチに遭遇してしまったときの対処法。
ちょっと難易度が高いかもしれませんが、走らず、騒がず、身を低くしてゆっくり後ずさりしながら距離をとりましょう。スズメバチは急激な動きや大きな音に反応して攻撃してくるので、悲鳴をあげてしまいそうになるのをぐっと堪えてください。
またスズメバチが死んでいるように見えても、絶対に手で触れてはいけません。たとえ頭や胸がなくなっていても腹部だけあれば反射的に毒針で刺すことがあるためです。
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不運にもハチに刺されてしまった場合は、痛み、血圧低下、体組織の破壊、アレルギー症状などを引き起こす可能性があります。アナフィラキシーショック(血圧低下や意識障害などの症状があるショック状態のこと)に陥ると生命に関わるような激しい全身症状が現れることも…。毒を絞り出しながら水で洗い流すことは有効ですが、このとき口で毒を吸い出すのは止めましょう。誤って飲んでしまったり、口の中に傷があったりすると、そこから毒が入ってしまいます。念のためなるべく早く病院に行き、医師に処置してもらってください。
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夏に窓を開けていたらハチが入ってきてしまった!ということもあるかもしれませんが、まずは落ち着いて。1匹が迷い込んだ場合はほとんど襲ってきません。自然といなくなるのを待ちましょう。ハチが攻撃的になるのは、巣を守ろうとするとき。7~10月に巣の周りをうろつくと刺されるリスクが高いので、近寄らないようにご注意を!
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