ペットにつくノミに御用心!1匹でもいたらすぐ駆除すべき理由とは?
- ノミ
- 2023/03/28
愛犬や愛猫がかゆがっていたり、謎の虫さされ痕を発見したりしたときは…もしかしたらノミの仕業かもしれません。お部屋やペットを清潔にしていても、お散歩の際にノミも一緒に連れてきてしまうことがあります。刺されてただかゆいだけじゃないのが、ノミの厄介なところ…。刺される前に気を付けておくべきポイントとは?
日本でよく発生するノミの種類。
ペットや人間に寄生するのはなぜ?
ノミ目に分類されるノミは、日本では約80種類。主に人間に寄生するヒトノミは、昔は主要な種類のノミでしたが、国内では現在ほとんど見られなくなりました。熱帯地域を中心に生息するイヌノミも日本では減少傾向にあり、近年の被害のほとんどはネコノミによるものとなっています。
被害報告の多いネコノミが寄生するのは、猫のみ…ではありません。猫の他、犬・イタチ・タヌキ・ネズミ…そして人間にも寄生し、吸血します。そのため猫以外のペットを飼っている方や、意図せずともネズミが家に棲みついている場合は要注意!ちなみに、イヌノミも様々な哺乳類や鳥類に寄生し、さらにネコノミとイヌノミはその姿形が酷似しているため、見分けるのはかなり難易度が高いかもしれません。写真を比較すると、ネコノミの前頭部はやや平べったく、イヌノミの前頭部はやや丸みを帯びています。
ネコノミの成虫の体長は、雄(オス)約1~2.5mm、雌(メス)約2~3.5mm。妻のほうが体が大きい夫婦のことを『蚤の夫婦』と表現しますが、実際にノミは雄よりも雌のほうがひとまわり大きいです。しかし、これはノミに限ったことではなく、虫の世界において、雌のほうが大きいというのは珍しいことではありません。
産卵するために雌だけが吸血する蚊とは違い、ノミの成虫は生きていくために雌も雄も吸血が必要。しかもノミの場合、吸血時間は20~25分にも及びます。この刺咬によって激しいかゆみが伴ない赤く腫れるなどの症状が出ることもありますが、人間に与える害はそれだけではありません。ノミの種類によっては、ペスト(ペスト菌)や発疹熱 (リケッチア)などの感染症の病原体を媒介することもあるのです。
ノミに刺されたら
ノミに刺された症状や写真、注意点などはこちらから。
驚異のジャンプ力を誇るノミ。
狙われたら“お手上げ”状態??
ノミと言えば、驚異のジャンプ力が大きな特徴。なんと体長の200倍の高さまで飛ぶことが可能だと言われています。バレーボール選手や体操選手もびっくりのジャンプ力です。ネコノミの場合は、垂直方向で約15cm、水平方向では20cm以上跳躍可能。さらに跳躍力に優れるヒトノミの場合はそれ以上です。
吸血しなければ生きられないため、ノミも必死。見つかったが最後、“お手上げ”状態とも言えるでしょう。宿主となる動物の排出する二酸化炭素・温度・影・振動…などを感知し、自慢のジャンプ力を活かして勢いよく飛びついてきます。
余談ですが、ノミは跳躍力に優れる反面、着地のほうは苦手。脚からスマートに着床できず、頭や背中を強打することもしばしば…。なんだか憎めない一面も持っています。とはいえ、ノミによる害は軽視できません。特にペットのお散歩の際は要注意!次の3つのポイントに注意し、きちんとノミ対策をして出かけ、被害リスクを減らしましょう。
1なるべく肌を露出しないこと。
いくらノミのジャンプ力がすごいといっても、成人した人間の場合、主に狙われるのは膝下。長ズボンを履いて出かけることで吸血されるリスクは大幅に軽減できます。暑い夏はついサンダルで出掛けたくなりますが、スニーカーなどのほうがおすすめです。
2お出かけ前に虫よけスプレー。
一般的には蚊よけのイメージがある人体用の虫よけスプレーも、製品のパッケージに記載してある適用害虫の項目をチェックすると、ノミが含まれているものが色々と出ていますよ。ディートを有効成分とする虫よけ剤(殺虫剤)が特におすすめです。
3お散歩帰りのチェック。
お散歩帰りには、家にあげる前にペットのカラダをチェックしてあげましょう。室内にノミを侵入させないことが大切。このとき、ノミだけでなくマダニなどがついていないかも同時に確認してください。
意外と長い、ノミの一生。
ノミが繁殖・増殖しやすい好条件とは?
成虫のノミの発育には、栄養源である血液が不可欠。ですが、仮に吸血のチャンスに見舞われず飢餓状態だったとしても1週間、ときには1ヵ月以上生きのびるケースもあります。無駄に我慢強くしぶといのもノミの問題点です。宿主となる猫や犬に寄生し、1年以上過ごすことも…。卵から成虫になるまでの期間は約2週間なのに、成虫になってからの寿命は長く、その点においても迷惑な害虫と言えます。
ネコノミの卵の直径は約0.5~0.6mm。楕円形の乳白色で光沢があります。卵の期間は気温によっても異なりますが、例えば25℃の場合は2~3日で孵化。幼虫になると、主に赤っぽいノミの成虫の糞(フン)と、動物のフケなどを食べて成長し、約1週間後に塵や砂を集めて繭を作って蛹となります。早ければ1~2週間程度で成虫になり、産卵を繰り返し、気付いたときには大繁殖…ということも珍しくありません。一生の産卵数は100個以上。個体差があり、400個以上産んだ例もあります。そう…好条件が揃ったときのノミは驚異の存在。大繁殖して勢力を伸ばしてしまうのです。
ノミの幼虫の発育には、充分なエサがあるかと同時に、温度と湿度がとても重要。ノミにとって過ごしやすい環境は、温度20~30℃、湿度70%以上です。気温が低い季節は成長がにぶりますが、暖房環境が整っている日本の室内は冬もあたたかく、ノミにとって居心地のいい環境だと言えるでしょう。
ノミが潜む場所はどこ?
お部屋の場所別おすすめ駆除方法。
例えば人間の頭髪に寄生するアタマジラミの場合は産卵の際、セメントのようなもので卵を毛髪に固着させます。一方、ノミの卵は光沢があり表面がすべすべしていて落下しやすく、卵がずっとペットの毛に留まることは考えにくいです。それではどこに卵が落ちているのかというと…ペットが寝ころんでいるような場所。そこで、場所別おすすめ駆除剤とその方法をご紹介します。
1ベッドの上やソファにはスプレータイプ。
犬や猫などのペットがゴロゴロくつろいでいる場所はノミの卵が落ちていたり、数日掃除をしていなければ幼虫が誕生してしまったりしている可能性も…。ダニと同時にノミも退治しておきましょう!
2カーペットにはエアゾールタイプと掃除機。
卵や幼虫の繁殖を見逃しがちなのが、カーペットの内部。奥のほうに潜む虫の退治に便利なのがエアゾールタイプです。成虫が発生する前に対策しておくことをおすすめします。
3和室の畳にはエアゾールタイプ。
畳の合わせ目や畳のくぼみなどは特に注意!見かけたノミは直接噴射、畳の内部には特殊注入針を注入することができる、エアゾールの駆除剤が便利です。潜んでいるノミも徹底的に駆除しておきましょう。
あなたがペットとくつろぐ癒しの空間。その場所にもしノミがいたとしたら…きっと快適には過ごせないでしょう。また、ペットを飼っていなくても、お散歩やお出掛け帰りに連れてきてしまうことも…。そこで、刺される前に、侵入と繁殖を防ぐ対策を!ノミとダニは繁殖条件や発生場所が似ているので、同時に駆除しておくのがおすすめです。