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気をつけよう!実年齢より老けがちのお口年齢とは?

「肌年齢」「腸年齢」「血管年齢」など、体の部位ごとの健康状態や老化の度合いなどを年齢に例えて分かりやすく示す指標があります。
中には実年齢よりも若々しい方がいる一方、実年齢以上に老化している方もいます。この部位年齢に、口内の状態や生活習慣などから判断される「お口年齢」というものがあることをご存じでしょうか?

加齢や生活習慣によって実年齢以上に老けてしまう「お口年齢」

お口年齢は、喫煙・飲酒などの生活習慣、日頃のオーラルケア、口内の症状などに大きな影響を受けます。
2024年12月にオーラルケアに関する調査※1を行ったところ、歯みがきだけでは不十分だと感じているにも関わらず、歯みがきしかしていないという方は国内に推計で1,400万人もいることが分かりました。
普段目に見えやすい肌や髪の毛といった部分には気をつけていても、あまりじっくりと見ることがない口の中にまでは気をつけていない、という方は要注意です。

お口年齢が悪化する要因はいくつかありますが、口内の汚れはその代表格の一つ。
汚れが歯垢や歯の色素沈着、菌の増殖の原因となり、口臭・むし歯・歯周病などを引き起こすことで口内環境が悪化してしまいます。
また、無意識に行ってしまう口呼吸をはじめ、加齢によって唾液の分泌量が少なくなることによる口内の乾燥、また噛む力が衰えてしまうことで歯や顎の関節の健康などにも多大に影響し、これらの要因が重なることでお口年齢が実年齢より高くなってしまうのです。

※1 24年12月 自社調査 20~69歳 n=1000
総務省統計局(23年10月1日現在)人口推計を基に試算

お口年齢が悪化することで様々なリスクが生じる可能性も

ここまでお口年齢が悪化してしまう要因について説明してきましたが、実際にお口年齢が悪化することで、どのようなリスクを伴うのでしょうか。

実年齢よりもお口年齢が高い状態が続くと、むし歯、歯周病、口臭や歯の喪失といったリスクが高まります。
また、口の機能が衰えることで「オーラルフレイル(口腔機能の低下が見られる状態)」になってしまうことも…。
本来は高齢になることで口腔機能が衰え、噛めない・飲み込めない・むせるといった食事の際の機能や、滑舌が悪くなる・口腔乾燥などの状態が起き、それに伴って心身の機能も低下していく(=オーラルフレイル)リスクが高まるのですが、お口年齢が悪化することで若い方でもオーラルフレイルとなってしまう場合があります。

実際に厚生労働省が行った調査※2によると、食事中に「左右両方の奥歯でしっかり噛みしめられない」と回答した方が20歳代で6人に1人弱、40歳代で4人に1人という結果が出ています。
オーラルフレイルをきっかけに、心身の動きが弱まる「フレイル」となり、要介護状態となってしまうこともあるため、若い時からお口年齢には気をつけるようにしましょう。

さらに、歯周病は、糖尿病のリスクを高める要因の1つであることがわかっており、お口年齢の悪化によって糖尿病などの全身疾患となる場合があります。
また、糖尿病以外にも「心筋梗塞」「認知症」「がん」といった様々な病気・全身疾患の要因となることもあるため、口内環境を清潔に保ち、お口年齢を若々しく保つようにしましょう。

※2 厚生労働省「国民健康・栄養調査結果の概要」令和元年(2019):https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf

お口年齢を若く保つためには日々の習慣が大切

お口年齢を若く保つためには、日頃の習慣が最も大切。

口内環境を悪化させてしまう喫煙・飲酒を控えるだけでも、口内環境にとっては大きくプラスに働きます。
また、睡眠中は唾液量が減少してしまうため、朝だけでなく夜寝る前のオーラルケアもしっかり行うようにしましょう。
正しい歯みがきは汚れや歯垢を落とし、口内環境を清潔に保ってくれます。歯垢をしっかりと落とすように、丁寧なブラッシングを心がけましょう。さらに、フロスや歯間ブラシ、すすぐだけでみがき残しやお口全体の汚れを洗い流してくれる洗口液もうまく活用すると、より効果的なケアができるでしょう。
また、口・顎などの機能低下により、むせやすくなってしまったり、滑舌が悪くなるなど、オーラルフレイルになっていることも。
口腔体操を習慣化することで、唇・舌・顎関節・喉などの機能改善を図ることもおすすめです。

セルフチェックリストであなたのお口年齢を調べてみよう!

自分のお口年齢がいったい何歳相当なのか気になる方も多いはず。
お口年齢は生活習慣・オーラルケア習慣や、口内状態に関する質問に答えるだけで簡単にチェックすることができます。

  • ☑️食べ物は硬いものより、軟らかいものが好き
  • ☑️夜の歯みがきにかける時間が3分未満
  • ☑️歯や歯ぐきが痛いことがある

上記のような設問に答えるだけで、お口年齢を算出することができます。
自分のお口年齢が何歳なのか、ぜひチェックしてみてください。

歯科医師・野尻真里先生
のコメント

お口は、笑顔や発語などコミュニケーションの入り口であり、酸素や栄養などの入り口です。つまり、全身の健康と社交の入り口は、お口と言っても過言ではありません。しかし、お口の不調で起こるサインは気が付きにくく見逃してしまうことがほとんどです。そして、はっきりとした症状が現れてからでは手遅れなのです。

お口年齢のチェックでは、お口不調のサインを確認し現状のリスクを知ることができます。まずは、自分自身のお口の現状とリスクを知りましょう。お口年齢が実年齢と同じならば維持をするために、実年齢よりも上ならば改善をするために、歯科医院でのプロケアとお家でのセルフケアをしっかりと行いたいですね。

お口の疾患を予防する上で、最も重要となるのは毎日のセルフケアです。歯間清掃、舌清掃、歯みがきを習慣化しましょう。また、セルフケアの成果や質を高めるのが洗口液です。歯ブラシ・歯間清掃の届かない隙間や、除去しきれなかった汚れ、お口の粘膜にも洗口液ならばしっかりと届きます。お口の健康状態が全身の健康と美に繋がるので、今日からお口のケアを見直してみましょう。

プロフィール

日本審美歯科学会所属 歯科医師

野尻真里 先生

予防歯科に関する啓蒙活動を幅広く行う歯科医師。予防を主体とした診療を行いながら、雑誌やWEB媒体など多くのメディアでの啓蒙を行う他、企業向けのセミナーや地域住民に向けてのセミナー、イベントまで幅広くセミナー活動も行っている。

お口年齢に合わせたオーラルケアを取り入れよう

口内環境の悪化は、むし歯・歯肉炎といった異常がないと気づきにくいもの。
しかし、口内環境が悪化してしまうと、自身の健康にも影響を及ぼすことも。
また、お口年齢の悪化によって見た目の印象に大きな影響を与えることもあります。

セルフチェックでお口年齢が実年齢より高く出た場合は、歯みがき方法の見直しや新たなケアアイテムを取り入れるタイミングかもしれません。

スキンケアと同じように、美しい歯と口元は、若々しさを引き出す大切な要素。日頃のオーラルケアを磨くことで、美と健康の両方を手に入れましょう。

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