実は公園にもいる?マダニ対策と咬まれたときの対処法。
- マダニ
- 2023/03/28
キャンプ、バーベキュー、花火大会…夏は楽しいイベントが盛りだくさん!でも、ちょっと待ってください。野外のレジャーにはキケンもいっぱい。そして、普段気軽に行くような公園に、実はマダニが潜んでいることも…。感染症を媒介するマダニに注意し、公園遊びやペットの散歩などお出かけ前にきちんと対策しておきましょう。
公園で咬まれることも!
マダニが潜む場所はどんなところ?
人間や動物を吸血し、繁殖していくマダニ。主な栄養源は人間や、牛・馬・羊・鹿・犬・ウサギなど哺乳類の血液です。幼ダニ・若ダニは発育のため、成ダニは産卵のために吸血します。
家のカーペットやベッドにいる小さくて目で確認できないダニと違い、マダニは肉眼でも確認できるサイズです。吸血前で3~4mm程度あり、吸血後のメスは3~4倍に肥大!マダニの大きさは吸血する前と後で異なります。血を吸って大きくなった姿を見てようやくマダニに気付くというケースも少なくないでしょう。
キャンプや山登りに行かなければ大丈夫と思っていませんか?実は都心の公園や河川敷でも普通に生息しています。3月頃から被害が出はじめ、10~11月ぐらいまで盛んに活動しますが、冬でも油断はできません。実際、冬季も活動する種類のマダニも存在しますよ。
生息する地域はどんどんと広がっていて、公園で子どもを遊ばせているときや、河川敷でペットの散歩をしているときに犬や自分自身が吸血されることも…。お散歩の際にペットに寄生されて家に持ち帰ってしまうと、家の中で産卵する場合もあるのでさらに厄介です。お散歩から帰宅した際は、玄関に入る前にペットや洋服をチェックして、家の中へ持ち込まないように心がけましょう。猫がお出かけから帰ってきたときもチェックしてあげてください。
マダニが媒介する感染症がキケン!
マダニに咬まれて大変なのは、痛みよりもむしろ、日本紅斑熱やライム病、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」などの感染症を引き起こす可能性があること。咬まれないために準備しておくことが重要です。
SFTSウイルスを持ったマダニに咬まれた場合、潜伏期間は6日~2週間程度。発症した場合の主な症状として挙げられるのは、38度以上の発熱、嘔吐、下痢、食欲低下などです。現時点では有効な薬剤やワクチンがなく、致死率は6~30%と言われています。
本症候群に起因する死亡事例が日本で初めて報告されたのは2013年のこと。被害報告は西日本が中心でしたが、北日本に生息するマダニからもSFTSウイルスが発見されており、分布域を拡大しています。
マダニに刺されないための予防方法は?
4つの重要なポイント。
1長袖・長ズボンを着用。
暑い夏に楽しむことが多いBBQなどのレジャーでは、つい薄着になりがち。できるだけ肌を露出せず、サンダルではなく足を覆う靴を選んでください。
2虫よけ剤を使用。
有効成分のディートには、マダニに対する忌避効果があります。ディートの含まれた虫よけ剤を使用することで、マダニはもちろん蚊に刺されるリスクも軽減できるでしょう。
3お散歩から帰ったらチェック。
犬や猫などペットのカラダについたまま室内に持ち帰ってしまう場合もあるので、ペットやご自身の洋服にマダニがついていないかを確認してから家の中へ入ってください。
4家の中にネズミがいたら駆除。
マダニはネズミに寄生して家の中へ入ってくることもあるので、ネズミも駆除しておく必要があります。
もし咬まれても、無理にとらないで!
肌を咬まれても痛みを伴わないことがあるので、吸血されてマダニが3~4倍のサイズになってから、ようやく気付くこともあるでしょう。もし吸血されているのが蚊だったならば、パチン!と音を立てて潰す人もいるかもしれません。でも、マダニの場合はNG。絶対につぶさないでください。
吸血中のマダニを無理やり取り除こうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残ってしまい化膿することも…。もし咬まれているのを見つけたら、すみやかに皮膚科等の医療機関でマダニの除去や消毒など適切な処置を受けてください。これといって症状がなくても念のため病院に行き、診察してもらいましょう。
マダニに咬まれたら
マダニに咬まれた症状や写真、注意点などはこちらから。
マダニが媒介するウイルス性の感染症により、最悪の場合は死に至るケースも…。せっかくの楽しいレジャーをマダニの被害で台無しにしてしまわないように、入念な準備を心がけましょう。どんなに用心しても、しすぎることはありません。