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同じ場所がいつもかゆい気がする…。ダニに刺されやすい体の場所とは?

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※ 画像はイメージです

ダニに刺されることで引き起こされるかゆみは、イエダニやツメダニによるものが代表的です。イエダニは衣類の内側、ツメダニなら肌の露出部に被害が見られます。その他、鳥に寄生するトリサシダニやスズメサシダニなどのダニや、ヒゼンダニの集団感染が話題になることもあり、ダニによって被害が起きやすい体の場所は異なります。

家の中でのダニによる被害でまず考えられるのは、イエダニです。
イエダニはネズミなどに寄生し吸血するダニ。イエダニという名前から、家(居室内)のホコリから多く見つかるダニアレルギーの原因となるダニと誤解されることがありますが、イエダニは気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の原因となるチリダニ(ヒョウヒダニ)とは別の種類です。イエダニに刺されると、痒みを伴う赤いブツブツ(紅斑や紅色丘疹)が現れます。屋根裏、天井、床下などのネズミの巣から人のいる空間に侵入し、人からも吸血します。特に寄主であるネズミが移動あるいは死亡していなくなると、イエダニは室内に移動して、代わりに人から吸血するようになります。人の被害が多く起こるのは6月〜9月です。イエダニは、夜間に室内に侵入し、寝具の中に潜り込み、衣服に被われた皮膚の軟らかい部位を好んで刺します。そのため、顔面や手などの露出している箇所を刺すことはほとんどなく、下腹部や腋の下、腰部やふとももの内側などがよく刺されます。その他、軒先や屋根裏、通風口、排気口などに鳥の巣がある場合は、トリサシダニ、スズメサシダニなど鳥に寄生するダニが室内に侵入して人からも吸血することがあります。また鶏舎が近隣にある場合は、ニワトリに寄生するワクモによる吸血被害が生じることもあります。
頻繁に刺される被害がある場合には、寝具や室内の埃を掃除機で吸引して専門機関で分析し、原因と考えられるダニが見つかれば、ダニの宿主となるネズミや鳥、それらの巣を取り除くことが必要になります。天井裏などのダニの駆除には、ネズミや鳥の巣の撤去と、再びの侵入を防止する策を講じることが必要となります。
刺したり噛んだりするダニによる被害としてはツメダニも考えられます。
室内の埃の中に見つかる他のダニ(チリダニ、コナダニなど)を捕食するツメダニ。しかし何かのきっかけで偶発的に人を刺すことがあり、刺されると痒みを伴う赤いブツブツが現れます。そのため、服の中よりは肌が露出した場所のほうが刺されやすいです。エサとなる他のダニが増えるとツメダニも増えるため、薬剤による駆除や掃除機による吸引が必要となります。
また、人体に寄生するダニによる被害も知られています。
ヒゼンダニは「疥癬(かいせん)」という感染症の原因となるダニです。ヒゼンダニが皮膚の表面の角質層の中に横穴を掘り、その中に卵を産みつけ増えていきます。ヒゼンダニの寄生数が少ない一般的な疥癬(通常疥癬)では、手のひらや指の間、指の側面に疥癬トンネル(ヒゼンダニがもぐり込んでできた小さな線状の皮疹)やぶつぶつやしこりが生じ、かゆみを伴います。またヒゼンダニの寄生数が多い重症型である角化型疥癬では主に手足の角質増殖(厚い垢が増えたような状態)が目立ち、全身が赤くカサカサになることもあります。通常疥癬では肌と肌の接触が短時間の場合、ほとんど感染しませんが、角化型疥癬では短時間でも感染することがあります。また寝具や衣類などを介して感染することもあり、共有しないことが大切です。皮疹やかゆみなど、疑いがあれば早めに皮膚科を受診しましょう。疥癬と診断されたら処方された飲み薬や塗り薬を正しく用いることが大切です。また、角化型疥癬の場合は患者だけでなく住んでいる空間や寝具類、パジャマなどからヒゼンダニを駆除しましょう。薬剤による駆除や掃除機による吸引と共に、洗濯や高熱処理も効果があります。(参考文献:日本皮膚科学会ホームページ)

衣服に被われた箇所を刺され、ネズミの存在がある場合にはイエダニ、鳥の巣がある場合にはトリサシダニを疑い、ネズミや鳥の存在がなく衣服から露出した皮膚を刺された場合は、ツメダニによる被害が疑われます。しかし小さなダニを肉眼で視認して断定することは難しいので、皮膚炎やかゆみの対応として、早めに医療機関を受診するとともに、ダニが疑われる場合には、ダニの駆除に取り組みましょう。

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  • 【記事監修】
  • 夏秋 優
  • 兵庫医科大学皮膚科学 准教授
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  • 白井 秀治
  • 東京アレルギー・呼吸器疾患研究所環境アレルゲン班 班長

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