刺される、咬まれるなどの
被害にあった虫をチェック!
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- 症状・感染症リスクなどにおける監修:
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夏秋 優(害虫・症例写真ご提供)兵庫医科大学皮膚科学 教授
白井 秀治東京アレルギー・呼吸器疾患研究所環境アレルゲン班 班長
- 虫ケアの方法の監修:
アース製薬研究所
蚊に刺された!
人を刺す蚊は主にこの種類です。
刺された際のかゆみは、アレルギー反応によるもの。体質や年齢によってすぐにかゆみが出る場合と時間が経ってから出る場合、またはその両方がある。
症状が軽い場合は、自然に軽快するのを待つことでよいが、かゆみに対しては虫刺され用の市販薬を塗る。水疱が生じたり症状が治らない場合は、皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
蚊が媒介する感染症としては日本脳炎、海外ではマラリア、デング熱、ジカ熱、ウエストナイル熱などがある。重症化すると人命に関わる感染症もあるので、海外渡航後に発熱などの症状が生じた場合は医療機関を受診すること。
屋外
ヒトスジシマカには主に朝と夕方の屋外、アカイエカからは夕方〜夜にかけて屋内で被害に遭いやすい。また、アカイエカの亜種でチカイエカもおり、商業施設や交通機関での被害にも注意。
屋外の場合は「サラテクト」などの人体用忌避剤を塗ることで刺されるリスクを軽減できる。ディート製剤の場合は、幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えること。屋内では「おすだけノーマット」などを使い、蚊のいない空間を作り出すこと。
日中に比べて朝夕の涼しい時間帯や、草むらなどの蚊の多い場所では、蚊に刺されやすくなります。蚊が多い時間や場所で活動する際には、肌の露出を抑えるような服装を心がけましょう。また人体用忌避剤を使うこともいいでしょう。ディート製剤の場合は幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えてください。
蚊に刺されたあとにひっかいて傷をつくることによる二次感染が心配されます。皮膚の掻き壊しを防ぐため、日頃からお子さんの爪を短く切ってあげることも大切です。蚊に刺されたら、患部の汗や汚れを洗い流して肌を清潔にし、かゆみ止めなどの外用薬を塗ってあげましょう。
ブユに刺された!
蚊よりも小さいですが非常に強いかゆみを感じます。
刺されて半日後くらいからかゆみが生じるとともに、赤く腫れてくる。そして翌日には更にかゆみが強くなる。普段からブユに刺される人では、刺されてすぐに皮膚が赤く腫れ、かゆくなることもある。刺されたら早めに虫刺され用の市販薬を塗る。かゆみや腫れが強い、また慢性化するような場合には早めに皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
アフリカ、中南米では糸状虫症を媒介することが知られているが、日本では報告例がない。
高原や渓流など綺麗な水場のあるエリア
肌、特に足の露出を抑えた服装を心がけ、「サラテクト」などの人体用忌避剤を塗ることで刺されるリスクを軽減できる。ディート製剤の場合は、幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えること。
高原などの山間部や渓流沿いなどで遊ぶ際にはブユに注意が必要です。ブユがいる場所で活動する時には、肌の露出を抑えるような服装を選び、人体用忌避剤や携帯用電池式蚊取りを使うこともいいでしょう。
ブユの被害は、刺されているときに自覚症状がなく、半日程度してから強いかゆみや腫れを生じることが多いのが特徴です。市販の外用薬でかゆみがおさまらない場合には、早めに医療機関を受診して、必要な処置を受けてください。
ハチに刺された!
ハチに刺された場合は、特に対処が必要です。
初めて刺された場合は激しい痛みと赤い腫れを生じるが、1日程度で治る。2度目以降はハチ毒に対するアレルギー反応が加わり、じんましんや腹痛、呼吸困難などの全身症状を伴うことがある。重篤な場合には意識消失・血圧低下などアナフィラキシーショックで、短時間で死に至る可能性がある。ハチに刺されたら、刺されたことを周囲に伝える。そして安全な場所で安静にさせ、刺された部位を冷やして様子を見る。局所の軽い症状であれば虫刺され用の市販薬を塗る。アナフィラキシー反応を生じた場合は、すぐに救急搬送を要請し、医療機関を受診すること。ミツバチの場合は、刺された箇所に毒針が残るので、毒嚢(どくのう)を圧迫しないように出来るだけ早く毒針を取り除く。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
草花・樹木があるならどこでも
巣の近くが特に危険
山歩きなどでは黒い服は避け、頭も白い帽子などで覆うこと。ハチの威嚇行動がある場合、巣を見つけた場合は静かにその場を離れること。ハチを払い除けると警報フェロモンを出し、仲間が集まってくる可能性がある。飛びまわるハチの駆除なら、「ハチアブマグナムジェット」が有効。ただし直径が25cmを超える大きな巣への処理や、巣穴に噴射するのが困難な場合、駆除は専門家に任せること。
ハチを見ると驚くかもしれませんが、餌を探しているハチは攻撃してきません。ハチを刺激しないように静かにその場から離れるようにしましょう。またハチの巣を見つけた場合には、近づいたり、棒で突いたり、石を投げるなどで刺激を加えてはいけないことも教えてあげましょう。
もしハチに刺されたときには、安全な場所へ移動し、直ぐに近くの大人の人に声をかけ、助けを求めるようにします。安全な場所で安静にしながらお子さんの様子を観察し、アナフィラキシー反応があらわれた際には、救急車を呼んでください。
クモに咬まれた!
次の2種類は強い毒を持つ危険なクモです。
雌12〜15mm
■カバキコマチグモ
一般に軽症で、数日で軽快する。虫刺され用の市販薬を塗る。痛みや二次感染、その他体調の不良がある場合は、医療機関を受診すること。
■セアカゴケグモ
強い毒を持つ。咬まれた場合の症状は個人差が大きい。最初は軽い痛みでも、後に強く痛むことや、嘔吐、嘔気、動悸、発熱などを伴う場合もある。重篤な場合は治療に血清が必要なこともある。早めに医療機関を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
屋外
■カバキコマチグモ
イネ科の植物の群生地、屋内
■セアカゴケグモ
公園のベンチや溝のグレーチングなど
カバキコマチグモの場合は、イネ科の植物の先端に巣を作る。セアカゴケグモは地面に近い日陰に巣を作る。いずれも触れなければ攻撃してくることはないので、近づかないこと。
住宅の周辺で遭遇するクモの多くは、人に被害を及ぼす毒を持っていません。しかし、不用意に手で掴んだり、巣に指を入れたりした際などに咬まれることもあります。近年、毒を持つセアカゴケグモが住宅地近郊でも見つかることがあります。もしお子さんがクモに咬まれたら、お子さんの様子を観察し、激しい痛みや全身症状がでた場合には、速やかに医療機関を受診してください。その際に、咬んだクモの写真を撮っておくと診断に役立ちます。
アリに刺された!
ヒアリは毒性の強い危険なアリです。
毒針に刺されると火傷のような激しい痛みを受け、皮膚に腫れや膿を生じることもある。複数回刺されると、重篤な場合にはアナフィラキシーショックで死に至る可能性がある。急激に体調が変化する場合には、救急車を要請するなどし、速やかに医療機関を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
輸入荷物のコンテナ内とその周辺の湾岸地域
(日本への定着は未確認)
ほかのアリと見分けることは難しいので赤いアリを見つけた場合近づかないこと。攻撃性が強いので、駆除は専門家に任せること。
アリは日常で目にする昆虫の中でも、比較的身近な生き物かもしれません。しかし刺激をすると、毒針で刺すまたは咬みつくなど、人に対して攻撃的になるアリもいます。中でもヒアリは攻撃性の強いアリです。見つけても刺激をしないように、教えてあげましょう。もしお子さんがアリに刺された時には、様子をしばらく観察し、激しい痛みや全身症状がでた場合には、速やかに医療機関を受診してください。その際に、刺したアリを持参すると診断に役立ちます。その際には刺されないように注意して捕獲してください。
ムカデに咬まれた!
この2種類は大型で人を咬む危険なムカデです。
咬まれると強い痛みを感じ、赤く腫れる。痛みは数時間程度で軽快するが、翌日以降にさらに腫れることがある。痛みを軽減するには、咬まれた直後に保冷剤などを用いて冷却する。稀に蕁麻疹や呼吸困難などアナフィラキシー症状が出て、重篤な場合にはアナフィラキシーショックに至ることもある。刺された翌日以降の症状が軽症の場合には虫刺され用の市販薬を塗り様子を見る。直後の痛みや腫れが強い、二次感染が生じている際には、医療機関を受診する。特に急激に体調が変化する場合には、救急車を要請するなどし、緊急に医療機関を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
屋内に侵入してくる可能性も
日中は屋外の朽ち木や落ち葉の下にいるが、夜になるとゴキブリなどの餌を求めて屋内に侵入することも。そのため、餌となるゴキブリなどの害虫を駆除することも対策には有効。生命力が非常に強く、攻撃的なので素手で触らないこと。「ムカデコロリ 凍らすジェット」なら屋内でも屋外でもムカデの駆除が可能。
ムカデは朽ち木や落ち葉の下などに生息し、時には室内に侵入してくることもあります。外遊びや住まいの中でムカデを見つけても、決して素手で触らないようにしてください。住居内でムカデを見た場合には、おいてあるスリッパや靴の中、洗濯物の隙間などに潜んでいることもあるので、周囲にムカデがいないかを確認してください。お子さんがムカデに咬まれた時には、冷却してしばらく様子を観察し、全身症状がでた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
ダニに刺された!
肉眼では見えないダニがかゆみの原因になることがあります。
ツメダニは他のダニを捕食するが、偶発的に人を刺すことがある。イエダニは吸血のために刺す。いずれもかゆみを伴う赤い発疹ができる。かゆみには虫刺され用の市販薬を塗る。原因となるダニは肉眼で見えないため、ダニという判断が自覚しにくいが、症状が継続する場合には、原因となるダニの除去を行うことが大切。長引く場合は他の疾患の可能性もあるので、皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
日本国内では発生例はほとんどない。
布団やソファ、カーペットなどの中
餌となる屋内塵性のダニ類が増えるとツメダニが増える。布団やソファ、カーペットは「ダニアーススプレー」などでダニを駆除した後に掃除機で死骸をしっかり吸い取ること。天日干しだけではダニは死滅しないので、湿気を抑え、駆除と掃除を欠かさないことで被害を抑えることができる。イエダニは本来、ネズミに寄生するので、イエダニの対策として、まず家屋周辺のネズミの駆除を行うこと。駆除後に、快適空間を保つためダニよけ製品の活用もおすすめ。
住まいの中で見つかるダニ被害には、主に刺咬によるものと小児喘息などを引き起こすアレルギーによるものがあります。ダニによる刺咬被害は、皮膚の状態からそれがダニであるか否かを見分けることはできません。皮膚にかゆみを伴う皮疹が見られ、繰り返しおこる場合には、医療機関を受診し必要な治療を受けるとともに、お部屋の中から原因となるダニの駆除を行いましょう。湿った部屋はダニが増えやすいので、乾燥した状態に保つことも大切です。
ノミに刺された!
ノミは人にも被害をもたらします。
ネコノミは吸血のために刺す。刺された1〜2日後から激しいかゆみを伴う皮疹ができ、水膨れができることもある。かゆみは虫刺され用の市販薬を塗ることで軽減できることもある。掻き崩したり、水膨れが壊れたりして症状が良くならない場合には皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
かゆみが強く掻き崩しによる二次感染から伝染性膿痂疹(とびひ)を生じることがある。
屋外
ペットに付着して侵入してくることも
夏場に多いが、真冬以外は通年発生するので、屋外では主に足元の肌を露出する服装は避ける。室内で飼っているネコやイヌも散歩や他の動物と接触することで寄生される。体長の200倍の跳躍能力があり、容易にペットから人に移る。ペットを清潔にすることと駆除剤の使用で被害は減らせる。一度発生した場合は「アースレッド」などで家中のノミをまとめて駆除して再発生防止を。
住まいで飼育するネコなどのペットから、あるいはネコノミが寄生しているノラネコがいる屋外で外遊びをすると、ノミに刺されることがあります。水疱が形成されやすく強い痒みのため、掻き壊しによる二次感染が心配されます。皮膚科を受診して必要な治療を受けるともに、掻き壊しを防ぐようお子さんの爪を短く切ってあげましょう。ノミを駆除しないと再び刺されることがあるので、屋外ではノミのいる場所に近づかないようにし、室内ではペットや室内のノミの駆除を行ってください。
シラミに刺された!
シラミは様々な部位に寄生し血を吸います。
■アタマジラミ/コロモジラミ
頭髪に寄生するアタマジラミと衣類に寄生するコロモジラミは、いずれも皮膚から吸血し、激しいかゆみを引き起こす。アタマジラミは毛髪に白い卵があることで発生を確認できる。放置すると集団発生を引き起こすことや、掻き崩すと二次感染を起こすことがあるので皮膚科を受診すること。
■ケジラミ
主に陰毛に寄生する。陰部周辺への激しいかゆみを引き起こす。強いかゆみがあるので皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
■アタマジラミ:B
感染症の媒介は知られていないが、アタマジラミ自体が人から人(集団)に感染することがある
■コロモジラミ:C
海外で感染症の報告があるが、国内での発症例は稀である
■ケジラミ:C
感染症の媒介は知られていないが、ケジラミは(主に性行為によって)人から人に感染する
■アタマジラミ
頭髪の接触や寝具、タオル、帽子、櫛の共有
■コロモジラミ
衣類の共有
■ケジラミ
性行為
■アタマジラミ
頭髪に寄生するので「アース シラミとりシャンプー」など医薬品のシャンプーを使って成虫、幼虫を駆除し、卵を専用の櫛で除去する。1度の処理では駆除しきれない場合もあるので、使用方法を守り繰り返し使うこと。寝具なども合わせて清潔にすること。
■コロモジラミ
衣類に寄生し、卵を産み付けるため通常の洗濯では落としきれない事も。シラミは熱に弱いので、55℃以上のお湯に5分以上ひたしてから洗濯を。
■ケジラミ
陰毛に寄生するので、性行為などでの接触で人から人へ移る。「アース シラミとりシャンプー」など医薬品のシャンプーを使い成虫、幼虫を駆除し、卵も専用の櫛で除去する。人体から離れると長くは生きられないので、入浴時の駆除を徹底することで被害を抑えられる。
お子さんが頭を繰り返し掻いていたり、痒みを訴えたりする時には、お子さんの耳の後ろや後頭部などの生え際あたりの髪をよく観察しましょう。髪にフケと異なる白いかたまりが固着している場合、アタマジラミの卵である可能性が考えられます。ご家族にもうつる可能性がありますので、お子さんの頭と頭が触れないようにし、枕やタオル、ブラシ、帽子などを共有しないようにします。
マダニに刺された!
マダニは気づかれない内に吸着します。
(吸血後は5〜20mm)
(自覚症状を伴わないことが多い)
山間部や河川敷などのササ藪や草地に生息し、人体を感知して皮膚に吸着し、数日〜2週間に渡り脇腹・太ももなどから吸血する。無理に引き抜こうとすると口器がちぎれて皮膚に残り、しこり(異物肉芽腫)ができることもある。速やかなダニの除去は感染症のリスクを下げると考えられるので、発見次第すぐに皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ライム病、日本紅斑熱を媒介し、SFTSや日本紅斑熱では死亡例が報告されている。
山間部の草地やササ藪、河川敷などの草地
草地に入る場合は肌の露出を抑えること。近年は人の生活域とマダニの生息地が隣接していることが多くなっているので、市街地でも油断しないこと。外出時にはマダニの効能がある「サラテクト」で予防し、帰宅後はマダニ吸着の有無、衣類や持ち物への付着を調べること。
草地やササ藪など、草が肌に触れる場所に立ち入る際には、大人同様に長ズボンを履き、肌の露出をなくす服装にしましょう。マダニは刺されても痛みや痒みなどをあまり感じません。お子さんに自覚がないまま、数日後に吸血したマダニが大きくなり、マダニの付着に気がつくということもあります。山間部や草地からお子さんが帰宅したら、お子さんの肌を注意深く観察し、肌に異物が付着していないかを確認しましょう。もしマダニの吸着を見つけたら、無理に剥がすことはせず、速やかに皮膚科を受診し、必要な処置を受けてください。
ケムシ(ガ)に刺された!
これらの虫は毒針毛や毒棘が被害を及ぼします。
20〜25mm
25mm
痛い・かゆい
チャドクガ、チャドクガ幼虫
かゆい
■ヒロヘリアオイラガ幼虫
全身を覆う毒棘があり、棘に触れると強く痛み、皮膚は赤くなる。1〜2時間で症状は一旦治るが、翌日以降に患部が赤く腫れてかゆみが出ることがある。患部を水で静かに洗い、かゆみに対しては虫刺され用の市販薬を塗る。症状が改善されない場合は皮膚科を受診すること。
■チャドクガ、チャドクガ幼虫
チャドクガの幼虫・成虫ともに微細な毒針毛を持ち、触れると激しいかゆみと蕁麻疹の様な症状が発生する。掻くことで付着した毒針毛が広がり症状が拡大するので、患部に付着する毒針毛を粘着テープなどで除去してから、流水で洗い流し、皮膚科を受診すること。毒針毛は衣類に付着している可能性があるので、他の洗濯物と分けて複数回の洗濯をする。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
樹木など
■ヒロヘリアオイラガ
サクラやカエデ、バラ、クスノキの木に生息していることが多いので、触れない様にすること。ケムシは「ケムシ撃滅」など噴霧式のスプレーで駆除できるが、噴霧の勢いで幼虫が落下することがあるので注意すること。
■チャドクガ、チャドクガ幼虫
ツバキやサザンカなどの街路樹につき、一つの葉に集団でコロニーを作る。幼虫を刺激することで飛び散った毒針毛が風に舞っていつの間にか付着する事もあるので、庭の剪定を行う際には全身を覆う服を着ること。「ケムシ撃滅」など噴霧式のスプレーで駆除できるが、噴霧の勢いで毒毛が撒き散らされる可能性があるので注意すること。難しい場合は専門家に任せること。
お子さんがドクガ類の毛虫に触れた場合、毛虫と触れた患部には毒針毛が残っていることが考えられます。お子さんが患部をこすることがないようにし、速やかに毒針毛を除去しましょう。毒針毛の除去は、粘着テープで数回、貼り剥がしを繰り返した後、泡立てた石鹸をつけてシャワーで勢いよく洗い流します。毒棘に触れた場所は、保冷剤などで冷やします。多くの場合、広範囲に湿疹やかゆみが生じるので、皮膚科を受診し処置を受けてください。イラガ類の毒棘に触れた場所は、直ちにピリピリとした痛みを感じますので、痛みの症状が治るまで保冷剤などで冷やしてください。
その他の虫の被害にあった
強いかゆみをもたらす厄介な虫です。
夜間に露出している皮膚から吸血する。唾液によるアレルギー反応で眠れないほどのかゆみを引き起こす。軽症であれば虫刺され用の市販薬を塗り、強い症状がある場合や症状が良くならない場合には皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
家屋内、国内や海外の宿泊施設
居住空間の細かな隙間に生息するので、駆除しきるのは難しい。暗くなると吸血のために活動するので夜間でも部屋を明るくしていると活動を抑制できる。薬剤に対しての耐性も強く、駆除には専門家でも時間がかかる。プロ仕様の医薬品である「トコジラミ ゴキブリ アース」は薬剤耐性を持ったしぶといトコジラミにも効果を発揮する。駆除が困難な場合は専門家に任せる。
トコジラミは、一般的に夜間の暗い室内で寝ている人から吸血します。寝ている間に刺されたと考えられる皮疹が繰り返され、また他の虫に刺された可能性がない時には、トコジラミの被害が考えられます。お部屋に潜むトコジラミを駆除しないと、繰り返し刺される可能性があるため、部屋のトコジラミの駆除を徹底して行ってください。
恐ろしい感染症を媒介する虫です。
(自覚症状を伴わないことが多い)
特定の山間部、耕作地、河川敷などに生息し、幼虫が人体に吸着して体液を吸う。体質によっては1〜2日後にかゆい皮疹が生じ、2〜3日後にピークとなる。ツツガムシ類の幼虫が病原体を保有していた場合に、ツツガムシ病を発症する。頭痛や倦怠感を伴う高熱と共に全身に広がる皮疹がある場合、放置すると重篤な状態になることがあるので、医療機関への受診を必ず行うこと。※症状の経過には、個人差があります。
病原体を媒介し、ツツガムシ病を発症する
山間部、耕作地、河川敷
刺された自覚症状がないことが被害発見を遅らせる原因なので、医療機関を受診する際には山野や河川敷を訪れたことを医師に伝えること。草地に入る場合は肌の露出を抑えること。ツツガムシの効能がある高濃度ディートの忌避剤、「医薬品サラテクト リッチリッチ30」の使用がおすすめ。
ツツガムシによる皮膚炎は、夏の終わりから冬にかけて見られます。山間部などで活動した後に、手足や体にかゆい小さな皮疹ができた場合、ツツガムシの被害が考えられます。皮疹ができて2〜3日以内であれば、皮膚科を受診した際に、皮疹の中央にツツガムシの幼虫を見つけられることがあります。痒みに対しては、一般的な虫刺され同様に市販の外用薬を塗りますが、ツツガムシが病原体を保有していた場合には、発熱や全身に発疹が出現することがあります。全身の症状が出た場合には、速やかに医療機関を受診してください。
身近に多くいる毒針を持つアリ
毒針で刺されると軽い痛みが生じるが、1時間以内に治まる。何度か刺されると、刺された翌日に皮膚が赤くなりかゆくなる。軽症であれば、虫刺され用の市販薬を塗り様子を見てもよい。しかし、刺された直後に全身のかゆみや血圧の低下などアナフィラキシー症状が生じることもあるので、急激に体調が変化する際には、救急車を要請して医療機関を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
北海道を除く日本全国
石の下や落ち葉の下など。住宅街でも発生
体色は黒褐色で脚は赤褐色で、尾の端に毒針がある。触れると刺されるので、疑わしいアリを見つけた場合、近づかず触れないこと。
アリは日常で目にする昆虫の中でも、比較的身近な生き物かもしれません。ただし不用意に掴むと、刺されることや咬まれることがあります。また巣を刺激すると、人に対して咬みつくことや蟻酸を吹きかけるなど、攻撃的になるアリもいます。もし刺された時は、お子さんの様子をしばらく観察し、皮膚に軽い症状が出た場合には、市販の外用薬を塗り、様子を見ます。全身症状がでた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
アリの様ですがハチの仲間です。
刺されるとチクリとした軽い痛みが現れるが、1時間以内に治まる。何度か刺されているうちに、アレルギー反応として赤い腫れが生じる。軽症であれば虫刺され用の市販薬を塗り様子を見る。また他のハチと同様にアナフィラキシーショックを来す可能性もある。急激に体調が変化する場合には、救急車を要請するなどし、速やかに医療機関を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
畳のある和室など
家屋内に生息するシバンムシなどの幼虫に寄生するため、シバンムシなどが増えるとアリガタバチも増え、7〜9月頃に大繁殖することもある。くん煙くん蒸剤や、エアゾールを用いて、駆除することが望ましい。事前に防ぐためには、粉剤を畳の下にうっすらと散布することも有効。
夏場に、畳やカーペットで大量発生することがあり、その上で寝転がるなど横になると刺されることがあります。尾端の毒針に刺されるとチクリとした痛みがあり、繰り返されると皮膚にかゆい皮疹が出るようになります。もしお子さんが、過去にハチに刺されたことがある場合には、刺された直後から特に注意深く様子を観察し、もし全身の症状が出るようであれば、救急に医療機関を受診してください。
皮膚炎を引き起こす体液を持つ虫です。
「ペデリン」という有毒物質を体内に持っていて、皮膚にとまった虫を払い落とす際に体液が糸で線を引くように付着し、線状皮膚炎を引き起こす。患部を水で静かに洗い、市販の抗菌外用薬を塗る。この虫の症状に対しては、虫刺され用の市販薬は効果が薄い場合がある。症状が改善されない場合は皮膚科を受診すること。※症状の経過には、個人差があります。
特になし
田畑や山間部の池周辺、河川周囲の草地など
皮膚にとまった場合、叩かずにそっと払いのける必要がある。また、草地に入る場合は肌の露出を抑えること。室内への侵入を阻止するためには、忌避剤を使用し、駆除する場合はエアゾールを直接噴霧する。
夜、明るいところへ集まってきた虫が人の近くに来ることがあります。皮膚に止まった虫を払いのけたりして、虫の体液が付着すると、半日程度で皮膚炎を起こします。直接、手で掴んだり、払ったりせずに、お子さんの皮膚からそっと虫を離すようにしてください。体液が目に入ると結膜炎や角膜炎を起こすこともありますので、もしお子さんの皮膚に体液がついたら、すぐに流水でよく洗いましょう。