キャンプや川釣りなど夏のレジャーはアブに注意!ハチやブユとの違いは?
- その他
- 2020/06/15
アブという虫をご存じでしょうか。もしかしたら、普段の生活ではあんまり目撃することはないかもしれません。けれど、キャンプやバーベキュー、釣りやハイキングなどでは、意外とメジャーな虫。アブに咬まれて痛い思いをしないよう、注意しておきましょう。ちなみに、「アブに刺された」とよく言われますが、正確には「咬み切る」という表現が適しています。アブと似た虫、ハチ・ブユ(ブヨ)・ハエ等との違いを、画像付きで解説!夏のレジャーを楽しめるよう、きちんと対策してからお出かけください。
アブは大きく分けると3タイプ。
人を好んで吸血するアブも!
アブの種類によって食性は異なり、大きく分けると、訪花性、捕食性、吸血性の3タイプです。例えば、ハナアブのように花粉を媒介して花・野菜・果樹など植物の受粉を助ける働きをする訪花性のアブもいれば、ヒラタアブの幼虫のようにアブラムシを食べる益虫として活躍する捕食性のアブも。ここでは、家畜や人間の血を吸う吸血性のアブに焦点をあて、解説していきます。
虻(アブ)はハエ目の短角亜目(たんかくあもく)に属する昆虫で、ハエの仲間。見た目がかなりハエに近いアブもいますが、サイズが大きめで黄色っぽい種類のアブはハチと間違われることも…。ちなみに長角亜目(ちょうかくあもく)には、長い触角を持つ蚊(カ)、ユスリカ、ガガンボ等がいます。
アブは種類によって吸血する対象に好みがあり、ウシアブやアカウシアブのように牛や馬などの家畜を狙うアブもいれば、イヨシロオビアブ(成虫の体長11~14mm)やキンイロアブ(体長11~13mm)やゴマフアブ(体長8~12mm)のように人間を好んで吸血するアブも。主に家畜を狙うアブであっても、人間を襲うこともあるので注意しましょう。
アブの生態と発生場所。
被害が増える時期はいつ?
アブの主な発生源は、川・水田・沼などの湿地。その付近の植物の葉裏などに塊状に卵を産み付けられ、約1週間で孵化します。アブの幼虫は湿った場所を好み、苔や腐葉土の中で、ミミズや昆虫の幼虫を吸汁して大きくなっていきますが、種類によっては人の手足を狙うことも…。幼虫期間は短い種類でも約1年と長く、中には3年に及ぶ種類も。その後、1~2週間の蛹期間があって成虫になり、数日後から産卵が可能です。
アブの発生が増える季節は、夏。4月頃から発生する種類もいますが、被害が増えるのは6月から9月に掛けてです。キャンプやバーベキュー、川釣りなど夏のレジャーでは意外と見かける害虫なので、注意してください。アブは黒や濃い色に反応するので、河辺や水田では長靴などを履いたり、白っぽい色の帽子や麦わら帽子を着用したりすることをおすすめします。その他、ゴルフ場で見かけることも。夏にラウンドするときは白や淡い色の服装を選ぶといいでしょう。
アブとハチはどう違う?
スズメバチが人を刺すのはハチ自身や巣をまもるためですが、アブは雌成虫のみが産卵のための栄養分を摂取する目的で吸血。ハチとアブでは攻撃の目的が大きく異なります。そのため、ハチを見かけた際は刺激しないよう背を低くして、静かにその場をそっと離れるようにしましょう。アブは卵巣の発育のために吸血するので、しつこく追いかけてくる傾向に。膝から下を狙われることが多いですが、キンイロアブのように頭部や上半身を狙うアブもいるので、注意してください。ちなみに、アブの中には無吸血の種もいますし、イヨシロオビアブのように1度目の産卵は無吸血で、2度目からは吸血する種もいます。
飛ぶときは、ハチは脚をたらして飛行し、スピードはそれほど速くありません。アブは脚を折り曲げて飛行し、スピードも速く、羽音も大きいため、人間に恐怖心を与えます。実際、咬まれると激しい痛みを伴うため、川や山にいくときは、遭遇したときの対処を考えておきましょう。
ブユ(ブヨ)・蚊・ヌカカとの違いは?
アブに吸血されたときの症状と対策。
アブに咬まれると、大人であっても耐えがたいほどの痛みが生じます。咬まれた箇所を確認し、血がにじむようになっていたらアブ、血がたれるようになっていたらブユ(ブヨ)でしょう。ブユの場合はアブほど痛くはなく、かゆみがひどくなって気付くケースも。ブユ(ブヨ)は集団行動するので傷口が複数できやすいです。
蚊やヌカカ(体長1mm~1.5mmの小さなハエ目の虫)は注射針のような口吻(こうふん)を皮膚に刺して吸血するため、皮膚から血は出ません。アブは蚊と同じように、吸血時に病原体を媒介する種類もいるため、要注意です。
- アブの予防と対策
- 川や森林などに行く際、黒っぽい色ではなく白っぽい服装を心がける。
- アブに適用のある虫よけ剤をムラなく丁寧に塗る。
- 飛び回るアブは強力ジェットタイプのハチ・アブ専用エアゾールで退治する。
- 忌避剤や駆除剤が手元になく、肌にとまった場合は叩いて潰す。
※ハチの場合は毒針が刺さることもあるので潰すことは避け、死んでいるように見えても刺すことがあるので触らないでください。
予めアブに適用のある虫よけ剤を用意したり、よく見かけるエリアではハチ・アブ用のエアゾールスプレーを常備したりしておくことをおすすめします。人間や動物の排出する二酸化炭素に反応・誘引されることが分かっているので、ディート等を主成分とする虫よけ剤・忌避剤の使用が効果的です。
卵巣の発育のため産卵期になると、アブの雌(メス)は積極的に人や動物を吸血するため、そういった意味ではハチより避けがたい害虫と言えるかもしれません。もしアブに咬まれてしまったら、刺咬部は赤く腫れ、激しい痒み(かゆみ)に襲われ、その症状は2~3週間続くことも…。清潔な水で洗い流して冷やし、症状がひどい場合は病院・医療機関へ。アブのいそうな場所へ行く際は予め虫よけ剤で予防・対策しておき、夏のレジャーを満喫してくださいね。