意外と簡単!
プランターでアスパラガスを育ててみよう。
春から夏にかけて、旬の食材として人気の野菜「アスパラガス」。あの瑞々しい甘みと食感は、他の野菜にはない美味しさですよね。定番のグリーンアスパラガスに加え、ホワイトアスパラガスや紫アスパラガスなどもあり、焼いたり、茹でたり、炒めたりと様々なレシピが楽しめます。一方で「家庭で栽培するのは難しそう」というイメージはありませんか?実はこのアスパラガス、意外と簡単にプランターで育てることができるんです!
野菜・花・果樹 育て方2018/04/02
アスパラガスの基本と知識
知っているようで知らない、アスパラガスの世界。
私たちが普段食べているアスパラガスは、和名「オランダキジカクシ」という植物の若い茎の部分です。日本に伝わったのは江戸時代で、オランダから持ち込まれ〝キジが隠れることができるほど生い茂る“ことが由来と言われています。この和名の由来通り、収穫せずに放っておくと、グングン成長して涼しげな細かい葉状のもの(仮葉)をつけた低木になります。種類によっては観葉植物として販売されているので、園芸店で見たことがある方もいるかもしれませんね。ちなみにグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは同じ種類で、日光に当たると緑色(グリーン)に、日光が当たらないように育てると白色(ホワイト)に育つのです。
アスパラガスは南ヨーロッパからロシア南部が原産地。日当たりの良い場所さえ確保すれば、暑さにも寒さにも強く、病害虫にも強いという何とも頼もしい植物です。一度植えると何年も収穫できる「多年草」で、きちんと管理すれば10年近くも収穫が楽しめるというから驚きですね。
アスパラガスをプランターで育てるには?
アスパラガスは、大きめのプランターを利用すれば自宅のベランダでも育てることが可能です。植え付けに適した時期は春なら4~5月、秋なら9~10月ですので、この頃までに次のものを準備しましょう。
- プランター:深さが20cm以上ある深めのプランターを用意(10号以上を使って1株植える)
- 土:市販の野菜用培養土を使うと簡単(適正酸度はpH6.0~7.0)
- 底石:ネットに底石となる軽石を入れておく
- 肥料:化成肥料(固形)
- アスパラガスの種、または苗(根株)
種から育てることもできますが、発芽から2~3年は株を大きくするために収穫はできません。おすすめは大きく育っているアスパラガスの苗=「根株」という根っこから育てること。例えば、2年目の根株なら翌年から、3年目の根株はその年から収穫が可能となります。今回初めてアスパラガスを育てる方は、是非こちらからチャレンジしてください。
- プランターに底石を入れ、土を3~4cm入れます。この上に、底から水が出るまで水をかけます。
- 表面の水がなくなったら化成肥料を入れ、さらに土を5cm入れます。
- 根株を芽(中心部分)が真ん中にくるように、できるだけ大きく広げて置きます。
- 芽の上に4~5cmほど土をかけ、最後にたっぷりと水をあげます。
1~4のステップでアスパラガスの植え付けは完成です!アースガーデンサイトの「アスパラガスの育て方」も、参考にしてくださいね。
アスパラガスの育て方と活用
アスパラガスを上手に育てるコツ
上手に育てるコツ 1
植え付け後はできるだけ日当たりの良い所にプランターを置き、毎日たっぷり水をあげます。アスパラガスは「肥料食い」と言われるほど肥料を好む植物なので、2週間に1度は化成肥料をプランターのふちに沿ってまくか、水やりの時に液体肥料をあげることを忘れずに。
嬉しいことにアスパラガスは大きい株を春に植えたら、その年に収穫することも可能!土から新芽がニョキニョキと顔を出し、15cmくらいに伸びたら収穫のタイミングです。この時、新芽の太さに注目してください。人差し指ほどならOKですが、細すぎるものは食用に適さないため、株を休めるためにもそのまま伸ばします。
上手に育てるコツ 2
アスパラガスは成長すると背が高くなりますので、倒れないように支柱を立てておきましょう。また肥料をたくさんあげることで雑草もよく育ってしまうので、雑草に栄養を取られてしまわないように、こまめに取り除くことも大切ですよ。
上手に育てるコツ 3
育て始めの年は2ヵ月程度、それ以降は2~3ヵ月の間収穫を楽しんだら、あとは収穫せずにそのまま育てることがポイント。こうすることで、苗が弱ってしまうのを防げます。また秋になって茎が枯れたら、根元から切り取って土の上に敷くと、寒さから守ることができます。
その後は2~3月頃に1度追肥をして、冬の間も水やりを欠かさないようにすれば、春にはまた新しい芽が顔を出します。あまり虫がつかないアスパラガスですが、心配なら「お酢」が原料のスプレー剤をかけておきましょう。
どうですか、思っていたよりは簡単だったでしょう?
アスパラガスを自宅で育てる醍醐味は、何と言っても採れたての柔らかくて新鮮なものを食べられること!アスパラガスはあまり日持ちしませんので、すぐに食べられない時は固めに茹でて冷蔵庫に入れておきましょう。次からは、アスパラガスを使ったおすすめのレシピを2品ご紹介します。
手軽に作れるアスパラガス料理2品
アスパラガスとパプリカのグリル
〈材料〉(2人分)
収穫したもの:アスパラガス4~6本
その他の材料:パプリカ1個(または赤1/2、黄1/2)、オリーブオイル 大さじ1、 塩・こしょう(少々)、アルミホイル適量
- アスパラガスの根元の硬い部分はピーラーなどで皮をむいておく。パプリカは1/4サイズに切る。
- 広げたアルミホイルに1をのせ、オリーブオイル、塩・こしょうをかける。
- 魚焼きグリル、またはオーブンをグリルモードにして、 2を4~5分焼く。
- 裏返して2分焼く。取り出して食べやすい大きさに切ったら、お皿に盛りつけて完成。
アスパラガスのベーコン巻き
〈材料〉(2人分)
収穫したもの:アスパラガス4本
その他の材料:ベーコン4枚、しょうゆ 大さじ1/2
- アスパラガスの根元の硬い部分はピーラーなどで皮をむいておく。ベーコンのサイズに合わせて切る。
- ベーコンを半分に切り、アスパラガス2~3カットを乗せて巻く。
- 巻き終わり部分が下になるようにしてフライパンに入れ、フタをして弱火で2~3分じっくり焼く。
- フタをとって裏側も焼き、しょうゆを加えて中火で煮からめたら完成。
自宅で採れたアスパラガスの味は格別ですよ!上手に育てば、シーズンになると毎日のように収穫ができるようになり、お財布にも嬉しいお役立ち野菜です。是非この機会に「アスパラデビュー」してみてくださいね。