農薬とその表示について
農薬って何?
農作物にとって、有害なさまざまな生物から作物を保護したり、農作物の生育を促進や抑制するために使われる薬剤。
どんなによく効く薬剤でも、勝手に農薬として製造販売することはできません。
農薬には登録制度があり、国(農林水産省)に登録された農薬だけが製造、輸入、販売できる仕組みとなっています。
登録するためには、薬効、薬害、安全性などのさまざまな試験成績の提出が必要となり、登録された農薬には、必ず登録番号の表示があります。
農薬のラベル表示の見方
農薬のラベルや説明書には、「適用病害虫と使用方法」の記載があります。これに書かれた病害虫に効果があり、この使用方法を守って使えば、健康に影響がなく、作物や自然環境にも安全です。
【適用病害虫と使用方法】の表示の意味
①作物名 | トマト | ばら |
---|---|---|
②適用病害虫名 | アブラムシ類 | イバラヒゲナガアブラムシ |
③希釈倍数 | 原液 | |
④使用期限 | 収穫前日まで | 発生初期 |
⑤本剤の使用回数 | 2回以内 | 6回以内 |
⑥使用方法 | 散布 | |
⑦○○○を含む農薬の総使用回数 | 2回以内 | 6回以内 |
-
作物名
使用できる作物。ここに記載のないものへの使用はできません。
※「花き類・観葉植物」と書いていれば、どんな草花、観葉植物にもOK。「ばら」など特定の名前が書いていれば、その植物にしか使用できません。 -
適用病害虫名
防除の対象となる病害虫名
※「アブラムシ類」と書いていれば、どんなアブラムシにも使用できますが、「イバラヒゲナガアブラムシ」だと、その1種類にしか使用できません。 -
希釈倍数
希釈方法
「原液」の場合、希釈せずそのまま使えます。
-
使用期限
栽培中にこの農薬がいつまで使えるのか
-
本剤の使用回数
栽培中にこの農薬を最大何回使えるか
-
使用方法
どのように使うのか
-
○○○を含む農薬の総使用回数
栽培中に、同じ有効成分が含まれる農薬を、トータルで最大何回使えるか
特定防除資材(特定農薬)って何?
農薬取締法で、「その原材料に照らし農作物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬」と定義付けられたもの。
平成25年10月現在、「食酢」「重曹」「地場で生息する天敵」の種だけが指定されており、農薬登録のいらない農薬です。
薬剤散布のポイント
葉先から薬剤が滴り落ちるほど、たっぷりとかけましょう。
葉の裏や茎の付け根などにも、まんべんなくていねいに散布してください。
気になる農薬のこと
農薬は安全なのか?人体に害は無いのか?
農薬は有効性・安全性など様々な試験を実施し、農林水産省(国)が承認したものです。
使用方法・使用上の注意を守って使用すれば人体に害を及ぼすことはありません。
ただし、販売店で施錠管理されている農薬は毒性が強いものなので使用の際特に注意が必要です。
農薬のラベルに書かれた作物以外で使ってはダメなの?
書かれていない作物には使用できません。注意してください。