入浴剤によって
特長が違うなんて、
知らなかったな。
入浴剤のイロハ
ゆったりと一日の疲れを癒やすバスタイム。音楽を聴いたり、お気に入りの動画を見たり、ただボーッとしたり…お風呂での過ごし方は人それぞれですが、入浴剤とともにゆっくり楽しむ方が多いようです。
最近の入浴剤は香りや色の種類がたくさんありますが、肩こりや冷え症、肌荒れに効くなど特長もさまざまです。気になる症状に合わせて選べるようになれば、入浴剤選びがさらに楽しくなりますよ。
目次
そもそもお風呂に入ると、わたしたちの身体にはどんなことが起きるのでしょうか。効果的にお風呂に入るために、まずは入浴によって得られる3つの作用を理解しましょう。
温熱作用とは、身体が温まる効果のこと。お湯につかると血管が広がり、血行が良くなって温かい血が全身をめぐります。これにより身体の芯まで温まります。新陳代謝も活発になって、老廃物や疲労物質の排出を促します。
ちなみに、お湯の温度によって自律神経の働きが異なります。ぬるめのお湯(38〜40℃)は副交感神経が働いて気分をリラックスさせる作用があり、熱めのお湯(42℃)は交感神経が働いて気分をスッキリさせ、活動的にする作用があります。
水の中では身体に水圧がかかり、手足の血管や腹部の内臓が影響を受けて、血液やリンパの流れが良くなります。また、胸部に水圧がかかると肺の横隔膜を押し上げ、肺の容量が小さくなることで空気の量が減っていきます。その減った空気を補うために呼吸の数が増えて、心肺の機能が高まります。
水の中では浮力が働いて、体重は空気中に比べて約9分の1程度まで軽くなります。すると筋肉や関節への負担が軽くなるため、脳への刺激も少なくなり、気分がリラックスします。
入浴剤は、大きく5つのタイプに分類できます。
タイプ | 主な剤型 | おすすめの使用シーン |
---|---|---|
無機塩類系 | 粉末 | 冷えが気になるとき |
炭酸ガス系 | 錠剤 | 特に疲れを取りたいとき |
薬用植物系(生薬系) | 粉末、生薬の刻み | 肩こり・腰痛・肌荒れなどが気になるとき |
スキンケア系 | 液体 | お肌の乾燥が気になるとき |
クール系 | 粉末、錠剤 | さっぱりしたいとき |
お店にたくさん並んでいるとわかりづらい入浴剤も、こうしてタイプ分けすると選びやすくなります。まずは身体のコンディションでタイプを選んで、色や香りはその日の気分で決める、という選び方がおすすめです。
では、どんなときにどんなタイプの入浴剤が合っているのか、そのメカニズムも合わせてご紹介します。ぜひあなたにぴったりの入浴剤を見つけてください。
無機塩類系の入浴剤は、成分に多く含まれる塩類(ミネラル等)が皮膚の表面のタンパク質と結合して身体にベール(保護膜)をつくります。このベールが保温効果を高めるので、お風呂から出た後も湯冷めしにくく、ポカポカ感が長続きします。身体の冷えが気になる方や、寒い日にしっかり温まりたいときにおすすめです。
また、皮膚の下にある組織を活発化させたり修復したりする作用や、あせも、ひび、あかぎれ等を和らげる作用、石鹸と同じように皮膚の汚れを乳化させて落としやすくし、身体をキレイにする作用なども期待できます。
無機塩類を主成分とし、保湿剤、色素、香料、その他の成分を添加したもの。
粉末、粒剤など
バスロマン 温浴タイプ
医薬部外品
有効成分が温浴効果を高め、血行を促進して身体の芯まで温めます。イオンのベールで湯上がり後もポカポカ。
温素
医薬部外品
アルカリ湯のまろやかな湯ざわりが味わえます。身体の芯まで温め、湯上がり後のお肌をつるつるに。
湯めぐりシリーズ
医薬部外品
自宅で温泉気分を楽しめるアソートタイプ。有効成分が温浴効果を高めて血行を促進し、身体の芯まで温めます。
シュワシュワ〜と泡立ってお湯に溶けていく、炭酸ガス系の入浴剤。お湯に溶けた炭酸ガスは、皮膚から吸収されて血管を広げる効果があり、血行が良くなって全身の新陳代謝が活発な状態に。1日の疲れを和らげます。
ちなみに、身体に入った炭酸ガスは最終的に肺から呼吸によって外に出ていくので、身体に害をもたらすことはありません。
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩と有機酸類を組み合わせて配合し、保湿剤、色素、香料、その他の成分を添加したもの。
錠剤、粒剤など
温泡 こだわり産地シリーズ
医薬部外品
香り弾ける本格炭酸湯。こだわりの香りを家族で毎日楽しめます。有効成分が温浴効果を高め、血行を促進し、1日の疲れを和らげます。
温泡 贅沢とろりにごり浴シリーズ
医薬部外品
贅沢感のある和の香りで心と身体を包む、にごり湯タイプ。極上のとろりとした湯ざわり。お肌にうるおいをもたらす4種の保湿成分(ヒアルロン酸・シアバター・コラーゲン・セラミド)配合。
温泡 アロマシリーズ
医薬部外品
気分に合わせて選べる4種アソートのアロマ炭酸湯。お肌にうるおいをもたらす4種の保湿成分(ヒアルロン酸・シアバター・コラーゲン・セラミド)配合。
温泡 デカまるシリーズ
医薬部外品
その疲れに本気の1錠!特大サイズの100g錠剤。力強い仰天発泡ととろける極上の湯ざわり。8種の植物エキス、ローヤルゼリー、アルギニン配合(保湿成分)。
薬用植物系(生薬系)は、商品によって配合されている生薬が異なります。生薬のメカニズムについてはまだ研究中の部分もありますが、長い歴史をかけて使われてきた生薬の効果は現在も認められており、医療薬としても国内外で注目されています。
たとえばトウキやセンキュウといった生薬には血行促進効果が認められており、温浴効果を高め、肩こりや腰痛に効きます。チンピといった生薬が含まれる入浴剤であれば、肌荒れやしっしんを和らげます。商品によって特長が違うので、必ず商品パッケージを見て自分に合ったものを選びましょう。また、生薬の独特の香りにはリラックス作用があるとも言われています。
生薬類をそのまま刻んだものや、生薬エキスを取り出して無機塩類等と組み合わせたもの。
粉末、生薬の刻みなど
バスロマン 薬泉タイプ
医薬部外品
「生薬」と「温泉成分」を独自配合。おうちで薬湯気分を味わえるシリーズです。
スキンケア系のタイプは、うるおい成分がたっぷり配合されています。お湯につかってやわらかくなったお肌は浸透しやすい状態になっているので、うるおい成分がお肌の表面だけでなく角層内部にまで浸透し、保湿成分を補います。
入浴剤でのスキンケアなら、背中など普段はケアしづらいところもしっかりカバーしてくれるので、全身しっとりすべすべに。乾燥肌の人にもおすすめです。
保湿成分を含むもの。白濁するものや無機塩類に保湿成分を含ませたもの。
液体、粉末など
ウルモア
浴用化粧品
うるおいベール成分が全身をコート。極上のとろとろ湯ざわりで、しっとりお肌が1日続きます。
ウルモア ボタニカル
浴用化粧品
角層深くまで浸透する3種のオーガニック保湿オイル成分とうるおいベール成分が、肌をやさしく包みうるおいを閉じ込めます。無色透明のお湯です。
暑い季節はお湯につからずに、シャワーで済ませたいという人も多いのではないでしょうか。でも、実は夏も入浴による身体のケアはおすすめです。
夏は暑くて湿度の高い外と、冷房の効きすぎた室内を行き来することが多く、自律神経の機能が低下しがち。特に、冷房が効いた部屋に長時間いると身体が冷えてしまい、夏バテをまねく原因になります。
こうした身体のストレスを和らげるには、ぬるめのお湯にゆっくりつかり、副交感神経をはたらかせて気分をリラックスさせると良いでしょう。
湯上がり後に、汗が出てベタツキを気にされる方には、クール系の入浴剤がおすすめです。
メントールが配合されたタイプは、お風呂上がりのお肌がさっぱり爽快に。実際にはお肌の温度は変わりませんが、メントールの成分が冷感を感じる神経を刺激し、ひんやりと感じます。お風呂上がりのクーラーや扇風機の風も、よりいっそう気持ちいいですよ。
また、重曹やミョウバンが入ったタイプは、入浴後のお肌をさっぱりさせる効果があります。
無機塩類系や炭酸ガス系の基剤に、清涼成分等により冷感を付与させ、入浴後のお肌をサッパリさせたもの。
粉末、錠剤など
バスロマン クールタイプ
医薬部外品
お風呂上がりのお肌さらさら、気分爽快。クールタイプのバスロマンで爽やかなバスタイムを。
入浴剤を選ぶときは、以下のポイントに注目しましょう。
5つのタイプによって特長はさまざま。香りや色で選ぶのはもちろん、気になる症状に合わせたアイテムを使えば、バスタイムがもっと気持ち良くなるはず。ぜひ、自分にぴったりの入浴剤を見つけてくださいね。