小さなスペースで野菜を育てよう。
自分だけのプチ菜園「ポタジェ」のススメ。
「ポタジェ」という言葉を、聞いたことがありますか?ポタジェとは野菜やハーブなど様々な植物を混植した、小さな菜園のこと。テレビや雑誌などで紹介されたため、日本でも広く知られるようになりました。このポタジェ、ガーデニングを始めたいと考えている方やガーデニングスペースが少ない方にこそ、おすすめなんです。自宅に自分だけの、小さな菜園を作ってみませんか?
ガーデニングの楽しみ方2018/03/15
小さな家庭菜園「ポタジェ」を知ろう
「ポタジェ」って何?
そもそも「ポタジェ」とは、フランス語で家庭菜園を意味します。その起源は古く、自給自足の生活を送っていた中世フランスの修道院が、食用になる植物を栽培したのが始まりと言われています。スープを意味する「ポタージュ」が「ポタジェ」の語源だそうですから、元々はスープを作るための野菜作りが、ポタジェの由来となっているようです。
ポタジェは食べるための実用的な面だけではなく、見ための美しさが重視されるようになっていきました。野菜はもちろん、ハーブ、果樹、草花などの様々な植物を一緒に植えることで、色鮮やかで華やかな、鑑賞用としても楽しめる庭に変化していったのです。更にポタジェには一緒に植えることで良い影響を与え合う「コンパニオンプランツ(=共存作物)」という考え方が用いられています。例えばトマトの近くにバジルを植えるとトマトの味が良くなると言われていますし、ジャガイモやキュウリの近くにマリーゴールドを植えると防虫効果が期待できます。つまりこのプチ菜園は、見ため・栽培・収穫に優れた、まさに「一石三鳥」の畑と言えますね。
プチ菜園「ポタジェ」をおすすめする3つの理由
ポタジェ作りを迷っている方のために、ポタジェのメリットをまとめてみました。
小さなスペースでも手軽に始められる。
1つ目は、玄関先や裏庭などの「小さなスペースで始められる」こと。庭がなくてもベランダやテラスなど工夫次第で自分だけの菜園を作ることができます。ベランダが狭くても大丈夫。2段プランターを活用したり、ベランダの手すりに吊り下げられるハンギングプランターを使えば、日当たりや風通しの問題もクリアできます。日当たりを確保できれば、室内のスペースに棚を置いたり、キッチンや玄関で育てることも可能です。
収穫してすぐに料理に活用できる。
2つ目は、キッチンから近いところで育てられるので収穫してすぐに「料理に活用できる」こと。収穫したばかりのハーブやベビーリーフなどを彩りとして使うことができます。近年は食の安全への関心が高まっていることから、家庭菜園をやってみたいと考えている人が増えているそうです。好きな野菜・果樹・花・ハーブなどを自由に植えられるポタジェなら、気軽にできるので「家族が食べる野菜を自分の手で育てられる」ことに、きっと満足感を得られるはず。
オシャレに自分らしく演出できる。
3つ目は、様々な色の植物を組み合わせるなど「自分らしく演出できる」こと。葉の色や形が異なるものを一緒に植えたりすると、華やかな雰囲気になります。明るいグリーン色や濃い葉色のハーブ、赤い実をつけるミニトマトやパプリカ、赤やピンクの花をつけるナスタチウム…などなど。
また小物も工夫してみましょう。テラコッタの鉢や木製のラック・麻ひもなどの天然素材を活用するとナチュラルでオシャレな菜園に。カラフルな外国の空き缶を、鉢代わりに使うのも素敵ですね。
ポタジェを作ってみよう
さっそく始めよう!最初にやることは?
ポタジェを作る場所を決めよう。
まずは、家のどこにポタジェを作るか決めましょう。選ぶポイントは、日当たり・風通しがよく、庭なら水はけの良い土があること。時間帯によって日陰になってしまうベランダなら、移動できるプランターを選んだり、飾り棚や鉢用のスタンド、園芸用吊り下げフックを活用したりしましょう。日陰の庭でも諦めないで!半日陰で育つ植物を選べば、菜園を作ることも可能です。
育てる植物を考えよう。
基本的に自分の好きなものを育ててOKですが、一般的に育てやすいといわれている野菜から育てるのがおすすめ。例えば、トマト(ミニトマト)・ピーマン・エダマメなどは苗から、コマツナ・リーフレタス・ルッコラなどは種から育ててみましょう。また、イタリアンパセリやバジル、シソなども、育てやすい上に薬味として使えるのであると便利ですよ。
近くに植えることで良い影響を与え合う「コンパニオンプランツ(=共存作物)」で選んでも良いですね。
- トマトとバジル:バジルがトマトを虫から守り、風味を良くしてくれる、と言われています。
- タマネギとカモミール:カモミールがタマネギの生育を促進させ、風味を良くしてくれる、と言われています。
- キャベツとミント:害虫がミントの香りを嫌い、寄り付かなくなる、と言われています。
育て方はこちら
植物を植え付けよう。
土は、肥料が入っている野菜用の培養土を使うと簡単です。プランターに土を入れるなら「プランターの土入れ」を、苗を植え付けるなら「苗から育てたい」を参考にしてください。複数の植物を一緒のプランターで寄せ植えするなら、背の高い植物が他の植物の日当たりを遮ってしまわないように注意しましょう。
あとは毎日の水やりと、定期的な育成チェックを忘れずに。葉に元気が無いようなら、病気になっていたり虫にくわれたりしているかもしれません。できるだけ早めに、病気の葉や虫を取りのぞきましょう。いろいろな植物を植えているので、いろいろな作物に使える粒剤があると害虫対策が楽ですよ。農薬を使うことに抵抗があるなら、お酢などの天然成分で駆除できる製品を使ってみるのも、一つの手です。
収穫した野菜やハーブを活用しよう
トマトとバジルの簡単パスタ
〈材料〉(2人分)
収穫したもの:トマト2個(またはミニトマト 適量)、バジル6枚
その他の材料:スパゲティ乾麺 200g、にんにく 1かけ、オリーブオイル 大さじ4、塩 小さじ1/4、こしょう 少々
- トマトはざく切りに、にんにくは細かくみじん切りにしておく。
- たっぷりの湯に塩を1つまみ入れ、袋の表示に合わせてスパゲティをゆでる。
- フライパンにオリーブオイルを入れてにんにくを炒める。香りが出たらトマトを加え、塩・こしょうを振る。
- ゆでたパスタに3をからめ、お皿に盛りつけてバジルを添えたら完成!
いかがでしたか?まずは小さなスペースで気軽に始めて、最初の収穫を目標に自分のペースで続けてくださいね。