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エダマメ(種・苗)

基本情報

エダマメ(種・苗)

栽培難易度

エダマメ(枝豆)はおいしいだけではく、栄養成分や食物繊維が豊富な優れものの野菜なんです。
病気になりにくく育てやすので、初めての方でも失敗しにくいですよ。

科名 属名
マメ科ダイズ属
収穫までの期間
約50~60日
主な病気
ほとんどなし
主な害虫
ダイズアブラムシ・シロイチモジマダラメイガ・ヨトウムシ類・カメムシ類
生育適温
生育適温は25~28℃ 高温に強く、乾燥にはやや弱い
必要な栽培スペース
プランターの周囲に約10cmほど余裕があればOK
日当たりのよい場所
水やり
乾燥に弱いので、土の表面が乾いていたらたっぷりとあげます。収穫間近は特に多くすると実が大きくなります。
弱酸性~中性(pH6.0~7.0)
深町さんのワンポイントアドバイス!
ご存知でしたか?エダマメ(枝豆)は収穫してしまうと、どんどん水分が奪われ、味も栄養価も落ちてしまいます。育てて、採れたての味を確かめてほしいですね。大きな莢とふっくらとした豆をつくるには、土の中の水分調整が重要です。生育の前半は水やりを控え、水分を求める根の成長を促します。花芽がついたら、毎日たっぷり水をやり、豆の肥大を促します。

栽培スケジュール

栽培スケジュール
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準備

プランター
一般的なプランターでも野菜用のプランターでもOK。株を複数植えるときは、間隔を20cm~30cmほど空けます。深さは20cm以上のものにしましょう。
野菜用の培養土
市販の「野菜用培養土」を使うと手間がかからず、プランターに入れるだけなので簡単です。
化成肥料
元肥タイプを使用しない場合に化成肥料を土に混ぜます。また、生育中の肥料として使用します。
底石用の軽石+ネット袋
水はけをよくするためにプランターの底に入れます。その際、ネット袋があると片付けの際楽なので、ネットに入れて底に浅めに敷きます。
支柱
太さは16~20mmで長さは200cm位のもの

種まき(種から育てる場合)

1. 種を選ぼう

野菜の種には、早生種(わせ)や中生種(ちゅうせい)、または晩生種(ばんせい)などがあります。早生は生育が早く、晩生種は生育(収穫)が遅いというようになります。

ポイント

生育の早い早生種がいいかと思いがちですが、生育の早い早生種には、未熟なまま収穫期を迎えたり、いつの間にか収穫期が過ぎていたりとデメリットもあります。そのため、環境や栽培状況、時期に応じて選ぶと良いでしょう。

  • 早生種・・・3月中旬~5月上旬
  • 中生種・・・4月下旬~6月上旬
  • 晩生種・・・6月中旬~7月中旬

植え付けの時期は種の種類、品種や気候によっても異なりますので、種のパッケージの裏面の注意事項をよく読んで使用してください。

2. 種まき

プランターの準備

底石用の軽石をネットに入れて、軽く水で洗いプランターの底に薄く敷いてください。
それから、土をプランターの8分目程度(フチから2~4cm程度余裕を残して)を目安に入れてください。

種まき

まき方は、1ヵ所に1粒ではなく3粒ずつまきます。
プランターの場合は、幅60cmのものであれば、3ヵ所程度にそれぞれ3粒程度まきます。直径30cmくらいの円形の鉢であれば、真中に1ヵ所、3粒程度まきましょう。
株間は15~20cm前後が目安です。あまり深く埋めすぎると種が呼吸できず、発芽しにくくなるので注意しましょう。

ポイント

エダマメ(枝豆)は地中のマメが地表まで持ち上がって発芽するため、発芽率があまり良くありません。そのため、数粒植えた方がお互いに支え合うことができ、地表に出てきやすいのです。

エダマメ(枝豆)の種をまいた後は、土をかぶせ、軽く押さえつけるようにしましょう。土をかぶせた後は水を与えすぎないように気を付けましょう。芽が出るまでは、土が乾いたら水やりをする程度で大丈夫です。

注意

エダマメ(枝豆)の種は鳥の大好物です。まだ発芽していなくても、土の中から取り出して食べてしまいます。発芽したものも食べてしまうので、種まきをしたら、本葉が2~3枚出てくるまで鳥よけのために寒冷紗(粗く織った布)をかけておきましょう。

植え付け(苗から育てる場合)

1. 苗を選ぼう

購入時のポイント

初心者は種よりも苗を買うのがおすすめです。次のポイントに注意して苗を選びましょう。

  • 本葉が2枚程度のもの
  • 双葉が枯れていないもの
  • 茎が太いもの
  • 葉色が濃く、病害虫がいない・被害を受けていないもの
  • 白い根が出ているもの

2. 苗の植え付け

植え付けの手順

  • スコップで苗と同じぐらいの大きさの穴を掘る。
  • イラストのように人差し指と中指で苗をやさしく挟んで、そのままポットごと、ひっくり返し、土の部分を崩さないようにゆっくりポットを引き上げる。
  • 苗をやさしく鉢土ごと①の穴に植えます。このとき、鉢土の1/5がプランターの土から出るくらいに浅く植えるのがコツです。
  • 植えたら土を2~3cmかるくかけ、底から水が出るぐらいたっぷり水をあげましょう。
ポイント
植え付ける際に気をつけること

苗の根は非常にデリケートなので、傷つけないように丁寧に扱いましょう。根を傷つけると病気になりやすくなったり、そこから枯れてしまったりすることがあります。

植え付け時期

ダメージを与える晩霜の心配がなくなる4月下旬~5月上旬が目安です。

栽培

1. 間引き

間引き(まびき)とは、密集している苗を一部だけ残して、残りを抜いてしまう作業のことです。間引きをすることで、日当たりや風通しをよくして病気を防ぎ、栄養の取り合いを防ぐことが出来ます。

本葉が出てきたら、間引きをしましょう。3本発芽していた場合、1本抜いて2本残します。こうすること、強い風が吹いても倒れにくくなります。葉の形が歪なものや、成長の遅れていたり、ひょろりと長く伸びたものを間引きましょう。

抜くときは、片方の手で根元を押さえてゆっくりと引き抜くのがポイントです。こうすることで、他の苗が一緒に抜けてしまうのを防ぐことが出来ます。

2. 支柱立て

間引きをしたら、支柱(30~40cmくらい)を立てて倒れないようにします。1本の支柱で2本が支えられるように誘引します。
誘引とは、植物の茎やつるを支柱に結び付けて、形を整えることです。
1番下をひもで結び、その上からカラータイ、ひもなどで軽く押さえます。すくすくと太れるように、きつめに結ばず、茎と支柱の間に隙間を作るような感覚で8の字に誘引しましょう。

3. 土寄せ・追肥

土寄せは、株の根元に土を寄せてかぶせることです。土寄せをすることで、株が倒れてしまうのを防いだり、水はけや根ばりを良くする効果があります。

つぼみがつき始めたら追肥をします。肥料が多すぎると葉が茂り過ぎ、実のつきが悪くなるのでこの点は注意してください。
1回目の追肥から半月ほどしたら、2回目の追肥をしましょう。少量の肥料を、苗に直接触れないようにプランターの縁に沿ってまきます。

追肥をした後は、土の表面を軽く耕して株元へ土を寄せましょう。こうすることで、株が倒れるのを防ぐことが出来ます。

4. 水やり

エダマメ(枝豆)は浅く根を張るので、乾燥に弱く、水分を好む性質があります。エダマメ(枝豆)を美味しくたくさん育てるためには、乾燥しないように水やりをこまめにすることがとても大切なのです。

土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをするようにしましょう。

花が開花した頃から、実がなりだす時期は、特に乾燥に気を付けましょう。この時期に乾燥すると、落花、着莢不良、実入りが悪くなることもあります。

土が乾ききる前に水やりをするようにしましょう!

5. 摘心

摘心とは?

植物の頂芽(茎の先端につく芽)を摘み取ることをいいます。良い実を育てるためにも大切な作業です。

摘心をすると、植物はかわりに側枝を伸ばそうとします。エダマメ(枝豆)の場合、摘心をして側枝を増やすと、そこにも花がつくので、その分収穫量が増えます。
たくさんのエダマメ(枝豆)を育てるために、ぜひ摘心を行ないましょう!

摘心のタイミングと方法

摘心を行うときは「本葉」に注目して行います。本葉は茎から3枚1セットで生えるのが特徴です。

本葉が5~6枚ほど生えてきたら、摘心を行うタイミングです。茎の第5~6本葉から上の部分にある頂芽を切り取りましょう。エダマメ(枝豆)の摘心はこれだけでOKです!

その際、ハサミなどを使わなくても手で摘み取ることができます。
摘心は実の数を増やすだけでなく、上に成長しない分草丈が低くなるので、茎が倒れてしまうのを防ぐのにも役立ちます。

深町さんのワンポイントアドバイス!
<裏ワザ>
双葉が開いてその後、初生葉が出てきたら、いきなり摘心します。すると、双葉のつけ根から新芽が2本出てきます。成長すれば主枝が2本育つことになり、草丈を低く抑えながらも、収穫量が倍になります。限られたスペースでも収穫量を増やすことができる裏技です。

収穫

タイミング

収穫は開花後40~50日頃です。実が膨らんでいるか確認してみましょう。実際にサヤをおさえてみて、中の実が飛び出すようになれば収穫の時期です。実がかたくなる前に収穫しないと、ダイズ(大豆)になってしまうので注意しましょう。
株の中央のサヤが十分に膨らんだら、株ごと抜いたり、枝を切ったりして収穫しましょう。

病気

べと病

べと病は葉の葉脈に沿って淡黄白色の小さな斑点ができ、近くの病斑同士がつながると拡大して暗灰色~灰褐色になります。乾燥するとパリパリになり、多湿になるとベトベトし、病斑の裏面に綿毛状の白カビがはえます。サヤが侵されると、種子表面に菌糸が着生してしまいます。
土の中に含まれる病原菌が原因と言われており、風雨などにより伝染します。症状は下葉から発生し、徐々に葉の上に広がっていくことが特徴です。

べと病

対処法

  • 予防健全な苗を確保すること。雨よけをして風通しと水はけを良くし、過湿を避けるようにしましょう。
  • 対処発生初期は、症状が出た葉だけをちぎって様子を見ましょう。症状が広がる場合はできるだけ早く薬剤を使用します。薬剤は葉の裏を中心に散布しましょう。

モザイク病

モザイク病は、はじめは若い葉の葉脈が透けるようになります。進行すると緑色の濃淡のあるモザイク症状になったりするのが特徴です。葉は小さくなり、葉脈が湾曲し、ねじれたり表面が凸凹になったりします。

モザイク病

対処法

  • 予防モザイク病は、アブラムシで媒介される病気です。種子消毒で駆除ができない病気のため、害虫対策をして防ぐことが大切です。

害虫

ダイズアブラムシ

エダマメ(枝豆)に発生する害虫の代表格は「ダイズアブラムシ」です。ダイズ(大豆)に群生する昆虫で、体は小さく、1~4mmほどしかありません。しかし、群れになって植物を襲うので大きな被害を受けます。

アブラムシが植物につくと、植物は汁を吸われて成長が止まり、やがて枯死します。また、アブラムシの排泄物に菌が発生し、葉が黒くなることもあります。

さらに植物ウイルス病を媒介し、植物を全滅させるなどの被害をもたらすこともあるので、油断ができません。

ダイズアブラムシ

対処法

  • 予防防虫ネットをかける。
    アブラムシは裾のちょっとした隙間をくぐり抜けて入り込むので、時々葉の裏をチェックするようにします。
    特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのがおすすめです。
  • 駆除数が少ない場合は、セロハンテープを利用することをおすすめします。
    多く発生している場合は、薬剤を使用ください。

シロイチモジマダラメイガ

体長が1.5cmほどの虫で、蛾の仲間です。
豆を食害する幼虫は、白っぽい緑色をしています。
サヤが出来はじめると、その中に幼虫が入り込み、中の豆を食べてしまいます。食べられた部分は褐色に変化してしまい、虫食いの穴からフンが見えることもあります。
小さく目立たないので注意が必要です。

シロイチモジマダラメイガ

対処法

  • 予防防虫ネットをかける。
  • 駆除安全性の高いエトフェンプロックスを有効成分にした薬剤をスプレーするだけで駆除できます。

ヨトウムシ類

ヨトウムシ類の主な発生時期は4月~6月と9月~10月です。夜行性で日中は株元に潜み、夜の間に葉を食害します。大食漢で、ひどい場合には葉脈を残して葉を食べつくし、大発生するとガサガサと食害する音が聞こえることもあります。
害虫の中には病原菌を媒介するものもいるので、もし発見した場合はすぐに対応する必要があります。

ヨトウムシ類

対処法

  • 予防防虫ネットをかける。
  • 駆除数が少ない場合は、セロハンテープなどを利用するか、割り箸などでつまんで取り除きましょう。
    多く発生している場合は、早めに薬剤で駆除するようにしましょう。
    安全性の高いエトフェンプロックスを有効成分にした薬剤をスプレーするだけで駆除できます。
    ヨトウムシ類の場合、5月頃から薬剤を散布すると被害を防げます。ただし、薬剤は使用上の注意をよく読んで正しく使ってください。

カメムシ類

対処法

カメムシ類は1.5cmくらいの小さな虫です。色は褐色のものや緑色のものなど、種類によって異なります。汁を吸うことで植物に害を与えます。
エダマメ(枝豆)の場合、カメムシ類は花が咲き終わってサヤができ始めるころに汁を吸います。そのため、サヤの成長が止まり、しまいには落下してしまいます。

カメムシ類
  • 予防防虫ネットをかける。
  • 駆除数が少ない場合は、セロハンテープや専用の粘着棒を利用するか、割り箸などでつまんで取り除きましょう。
    多く発生している場合は、早めに薬剤で駆除するようにしましょう。
    安全性の高いエトフェンプロックスを有効成分にした薬剤をスプレーするだけで駆除できます。
深町貴子

深町貴子/アドバイザー

園芸家。NHK趣味の園芸「やさいの時間」講師等、数多くのメディアで活躍。
園芸の魅力を語る講演・講座も人気。

よくあるご質問

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