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基本情報
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準備・種まき
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育て方・収穫
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病気・害虫
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よくあるご質問
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この栽培に役立つ情報
基本情報
栽培難易度
日本人にとってなじみ深い根菜であるダイコン(大根)。おでんや煮物、漬物はもちろん、薬味やサラダなど幅広い料理に使えるので、とても人気の高い野菜です。春と秋の年2回栽培できますが、育てやすい秋まきがおすすめ。30cm以上の深めのプランターを使えば、ベランダなどでも手軽に育てることができますよ。
- 科名 属名
- アブラナ科ダイコン属
- 収穫までの期間
- 約60~100日 (種類によって異なる)
- 主な病気
- べと病・うどんこ病・軟腐病・灰色かび病・モザイク病
- 主な害虫
- アオムシ・コナガ・ヨトウムシ類・アブラムシ類・カブラハバチ・キスジノミハムシ・ダイコンハムシ
- 生育適温
- ダイコンの栽培適温は15℃~20℃程度。種をまくタイミングに注意。
- 必要な栽培スペース
- プランターの周囲に約10cmほど余裕があればOK
日当たりがよく、風通しのいい場所
- 水やり
- 土の表面が乾いてきたら、鉢底から流れるくらいたっぷりとあげる
- 土
- 弱酸性~弱アルカリ性(pH6.0~7.5)
栽培スケジュール
画像を拡大する準備
- プランター
- ダイコン(大根)は土の中で縦方向に成長します。深さが30cm以上ある深めのプランターを用意しましょう。サイズが大きめで容量は45Lが目安です。
- 野菜用の培養土
- 市販の「野菜用培養土」を使うと手間がかからず、プランターに入れるだけなので簡単です。真っすぐきれいに伸ばし育てるために、やわらかく排水性のある土にしておきます。
- 化成肥料
- 元肥タイプを使用しない場合に化成肥料を土に混ぜます。また、生育中の肥料として使用します。
- 底石用の軽石+ネット袋
- 水はけをよくするためにプランターの底に入れます。ネット袋があると片づけの際に楽なので、ネットに入れて底に浅めに敷きます。
種まき
1. 種を選ぼう
ダイコンはたくさんの品種がありますので、栽培場所や使用用途、また植える時期などにあった品種を選びましょう。
また移植が苦手な植物なので、そのまま種まきをする「直まき」という方法で種をまきます。
種をまくタイミングは、4月上旬〜5月上旬頃にまく春まきと、8月中旬〜9月中旬頃にまく秋まきの2回あります。
家庭菜園初心者の方は、病害虫に強くトウ立ちもしにくい秋まきがおすすめです。
2.プランターの準備
底石用の軽石をネットに入れて、軽く水で洗いプランターの底に薄く敷いてください。
それから、土をプランターの8分目程度を目安に入れてください。
ダイコンは水はけが悪いと根腐れするので、水はけのよいタイプの土を選びましょう。
小石や土のかたまりがあれば取り除き、土がやわらかくなるまで丁寧に耕しておきます。
すぐに植え付けができる、肥料がブレンドされた「元肥タイプ」の培養土を使うと簡単です。
種のまき方
ダイコンの栽培適温は15℃~20℃程度ですので、春まきはとう立ちしないように外気温が13℃以上になってから種まきします。秋まきの場合は気温が高くても発芽しますが、美味しいダイコンを育てるためには、残暑がおさまってからまくようにしましょう。
種をまく際には、土が入ったプランターに深さ1cm~2cmくらいの穴を、20~30cmの間隔をあけて作ります。穴を作ったらそれぞれ1ヵ所に、4粒~5粒くらいの種をまきます。種をまいたら、1cm~2cmほど覆土し、手のひらで土を軽く押さえて種と用土を密着させます。
種まき後
種まき後は、まいた種が流れないように気をつけながらやさしく水やりをします。ダイコンは水分を必要とする野菜なので、土が乾燥しないように毎日水やりをしましょう。ただし排水がきちんと行われていないと過湿状態となり、大根の根が土の中で腐敗する原因となってしまいます。発芽した後は多湿にならないように量を調節して、水切れしないように気をつけてください。
土の上に敷き藁(わら)などをかけておくと、土の乾燥を防げるのでおすすめです。
育て方
間引き・追肥・土寄せ
間引き(まびき)とは、密集している苗を一部だけ残して、残りを抜いてしまう作業のことです。
株と株の間に十分なスペースがないと、日当たりや風通しが悪くなってしまう上に、葉や茎が触れ合っていることで、害虫が発生したときに他の葉にも影響がでてしまいます。また、栄養の取り合いになり、やせた株に育ってしまいます。
間引くことで健全なのびのびした株が育ちますよ!
ダイコンの間引きは3回です。細かく間引きすることで、少しずつ根を太らせるのがポイント。発芽がそろって本葉が1~2枚になったら、1回目の間引きをはじめましょう。
ポイント
間引く芽のPOINT
- 葉と葉が触れ合っているもののどちらか
- 一番背の高いもの
- 茎が細くてヒョロヒョロなもの
- 葉の形が悪いもの
間引きタイミング1回目:本葉(1~2枚)
本葉が1~2枚ほどの頃に行います。元気のよい株だけを残して3本立ちにします。間引きするときは元気のよい株を一緒に抜いてしまわないように気をつけて、間引きする株の地面あたりの土を抑えながら、ゆっくりと引き抜きます。
ポイント
残す株のPOINT
- 葉の色が濃いもの
- つやがよいもの
- 茎が太くて丈夫そうなもの
間引きタイミング2回目:本葉(2~3枚)
本葉が2~3枚になったら1か所に2株を残して間引きます。
間引きで抜いた株の葉は、サラダや漬物などにしておいしく食べることができます。
追肥タイミング1回目:2回目の間引き後
プランターの容量1Lあたり1gを目安に、化成肥料を株から離れたプランターの淵の土に混ぜます。
この時大根に直接、化成肥料が直接当たらないように注意しましょう。
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土寄せ
間引きの後に株の根元に軽く土をかけますが、この時に葉の間に土がかぶらないように気をつけましょう。
間引きタイミング3回目:本葉(5~6枚)
3回目の間引きは、本葉が5〜6枚になった頃に行います。葉が虫に食われているもの、病斑があるものや生育が遅れているものを間引いて、1株だけを残すようにします。
追肥タイミング2回目:3回目の間引き後
肥料を追加して大きな根を育てましょう。
1回目と同様に、プランターの容量1Lあたり1gを目安に、化成肥料を株から離れたプランターの淵の土に混ぜます。
収穫
タイミング
病気
アブラナ科のダイコンはウイルスが原因の病気や軟腐病がよく発生します。ウイルスはアブラムシなどの害虫によって運ばれてくるので、害虫の予防も注意しましょう。
べと病・うどんこ病・軟腐病・灰色かび病
べと病
葉の脈に沿って淡黄色のぼんやりとした斑点ができ、裏面には灰白色状のカビが生えます。
うどんこ病
葉に斑点ができ、白っぽいカビのようなものが生え、ひどい場合には黄化してやがて枯れます。
軟腐病
地際の部分が褐変し、ぶよぶよと軟化します。この時、腐敗して独特の悪臭を放ちます。
灰色かび病
葉の緑が黒くなったり、花が褐色になってシミのような病斑ができます。
モザイク病
モザイク病は、葉が黄色くなったり、緑色の濃淡のあるモザイク症状になったりするのが特徴です。
対処法
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予防
ダイコンは意外と病気になりやすい野菜で、葉・根・茎の作物全体に病気が発生する場合があります。特に春まきは温暖・湿潤な環境になりやすく、注意が必要です。予防には特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのもおすすめです。
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対処
発生初期は、症状が出た葉を切除して様子を見ましょう。症状が広がる場合はできるだけ早く薬剤を使用します。
害虫
ダイコンにつきやすい虫は、アオムシやアブラムシなど様々。害虫が発生すると短時間で食害されてしまうので、こまめにチェックしましょう。
アオムシ・コナガ・ヨトウムシ類・アブラムシ類
アオムシ
モンシロチョウの幼虫。ダイコンの葉を食害する害虫です。
放っておくと葉の大部分を食べられてしまいます。
コナガ
野菜害虫の中で防除困難な重要害虫とされている厄介な害虫です。
ヨトウムシ類
夜行性で夜の間に葉を食害します。葉を食べつくす可能性があります。
アブラムシ類
葉や茎に群集し、植物の汁を吸います。ウイルス病を媒介します。
カブラハバチ
黒っぽい色をしたハチの幼虫。葉を食べふえると、葉脈を残して葉を食いつくされます。
ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)
紺色のテントウムシのような見た目で、葉に2~5cmの穴をたくさん開けます。
キスジノミハムシ
成虫の体は黒色でオレンジの筋が2本入っています。1~2mmの穴を葉にたくさん開けます。
対処法
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予防
- 防虫ネットをかける。
- 薬剤を散布する。
- 見つけ次第捕殺する。
- ダイコンの害虫対策には、苗の植え付け時に粒剤を土の中に混ぜこむ方法や、防虫ネットをかけて育てるといいでしょう。
- 防虫ネットをかける時のポイントは、あらかじめ害虫がついていないかを確認することです。また、防虫ネットをかけても、ネットを固定するひもがゆるんでいると隙間から入り込むことがあります。
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対処
- アオムシ・コナガの場合は、割り箸などで捕殺する方法や、駆除や忌避効果のあるスプレーを散布すると良いでしょう。
- ヨトウムシ類の場合は、日中はなかなか見つけられないので、忌避効果のあるスプレーを散布しておきましょう。
- アブラムシ類の場合は、発生初期は水をかけて飛ばしたり、食品原料でできたスプレーを使って排除すると良いでしょう。大量に発生してしまった時は、隠れた葉裏の虫まで効くスプレーを使用すると便利です。