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基本情報
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準備・植え付け
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栽培・収穫
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病気・害虫
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よくあるご質問
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この栽培に役立つ情報
基本情報
栽培難易度
葉ネギ(葉葱)とは緑の部分が多く、根元から葉の先まで食べられるネギのこと。青ネギとも呼ばれ、万能ネギや九条ネギなどの品種も有名です。大きく成長する長ネギに比べると、小型で育てやすいのでプランター栽培にも最適。一鉢あると、色々な料理や薬味に使えてとっても便利です。
- 科名 属名
- ユリ科ネギ属
- 収穫までの期間
- 約2~3ヵ月
- 主な病気
- さび病・赤さび病・黒斑病
- 主な害虫
- アブラムシ類(特にネギアブラムシ)・アザミウマ(特にネギアザミウマ)・ハダニ類・ヨトウムシ類
- 生育適温
- 20~25℃
- 必要な栽培スペース
- プランターの周囲に約10cmほど余裕があればOK
- 水やり
- 種が発芽するまで土が乾かないように注意。
その後は土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。
- 土
- 弱酸性~中性(pH6.2~7.0)
必要に応じて、苦土石灰などで調整してください。
栽培スケジュール
画像を拡大する準備
- プランター
- 一般的なプランターでも野菜用のプランターでもOK。
横長のプランターのほうが多く収穫できておすすめ。
深さは20cmくらいあれば大丈夫です。
- 野菜用の培養土
- 市販の「野菜用培養土」を使うと手間がかからず、プランターに入れるだけなので簡単です。
適正酸度はpH6.2~7.0で、酸性土壌を嫌うため、その点にも留意して土を選びましょう。
- 化成肥料
- 元肥タイプを使用しない場合に化成肥料を土に混ぜます。また、生育中の肥料として使用します。
- 底石用の軽石+ネット袋
- ネットに底石になる軽石を入れ、軽石を水で洗った後、プランターの底に敷きます。
種まき(種から育てる場合)
1. 種を選ぼう
購入時のポイント
葉ネギには「九条ネギ」や「万能ネギ」など様々な品種がありますが、どれも比較的育てやすいです。ただし古い種は発芽率が落ちてしまうため、新しい種を使用しましょう。
2. 種まき
プランターの準備
底石用の軽石をネットに入れて、軽く水で洗いプランターの底に薄く敷いてください。それから、土をプランターの8分目程度(フチから2~4cm程度余裕を残して)を目安に入れてください。
種のまき方
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スジまき
一直線上に浅い溝を等間隔に作り、その溝に種をまく方法です。
まき溝を15cm間隔でつくっておくとまきやすいです。60cmの標準サイズのプランターであれば、2列ぐらいにまくのがベストです。
深さ約1cmのまき溝を作り、5mmくらいの間隔でまいていきましょう。
種まき後
種をまいたら、上から土をかけ、軽く手で押さえて種を固定します。その後はたっぷりと水をやります。
種が発芽するまでは、土が乾かないように注意して水やりしてください。
種まき後、1週間~10日ほどで発芽します。
芽が3~5cmくらいに育ったら、成長の悪いものを取り除きます。この時、株と株の間が3~5cm間隔になるように引き抜きます。その後も混み合う場合は適宜、間引くようにしましょう。
植え付け
1. 苗の準備
購入時のポイント
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健康な苗を選ぶ
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葉の緑色がキレイなもの(変色したり、折れたりしていないもの)
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害虫のついていないもの
2. 苗の植え付け
プランターの準備
深さが20cmくらいのプランターを用意しましょう。ネットに底石になる軽石を入れ、軽石を水で洗った後、プランターの底に敷いてください。
植え付けの手順
- 底石の上に培養土を入れます。2~3cmほどウォータースペースを残してください。
(苦土石灰などで調整が必要な場合は1週間以上前に準備しておきましょう) - 土の表面を平らにして、間隔を10cmくらいあけて植え付けます。
- 植え付け後、たっぷり水をやります。
栽培
1. 水やり
根腐れに注意し、日当たりの良い場所で育てましょう。
2. 追肥
葉の茂りが良くなるので、チッソが多めの配合のものを選ぶのがおすすめです。
収穫
タイミング
株元から3~5cmのところで切り取って収穫しましょう。
切った場所からまた新しく生えてくるので、繰り返し収穫できます。
途中で肥料切れを起こさないよう、忘れずに追肥しましょう。
病気
うどんこ病
葉に斑点ができ、白っぽいカビのようなものが生え、やがて枯れます。うどんこ病は気温が高く湿度が低い環境(4~10月に多い)で、温度が17~25℃ぐらいのときに発生しやすくなります。真夏・真冬は発生しにくいです。
対処法
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予防
特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのがおすすめです。
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対処
症状が軽い場合は感染した葉だけちぎって様子を見ます。ちぎった葉はビニール袋に入れてゴミとして捨てるなど、廃棄することが重要です。うどんこ病になった箇所は元通りにはなりませんが、初期段階で対応することで、被害の拡大を抑えられます。
さび病
鉄のさびのような橙色の細長い楕円状の小さい斑点ができる、カビによる病気の1つ。やがて表皮がやぶれて黄色の胞子が露出し、症状が進行すると枯れてしまいます。
対処法
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予防
株が弱ると発生しやすくなるので、定期的に追肥しましょう。
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対処
さび病になった箇所は元通りにはなりませんが、初期段階で対応することで、被害の拡大を抑えられます。早めの薬剤散布がおすすめです。
白絹病
カビが原因の病気の1つ。菌の色は白色や黄色、ひどい場合は褐色。初期は地面と接する部分に斑点ができて、進行するとその周り(主に株元)に白いカビが発生します。
対処法
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予防
水はけのいい土を使うことで発病のリスクを軽減できます。高温・多湿で発病しやすいので、株が混みあってきたら、こまめに収穫するのもポイントです。
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対処
発病したら、その株の周りの土と一緒に処分しましょう。
白斑葉枯病
カビが原因の病気ですが、病状はアザミウマの食害痕に似ていて、白い細かな斑点を作ります。3cm程度の長細い病斑を形成し、進行すると葉全体が枯死します。
害虫
アブラムシ類
ネギ属は黒ゴマみたいな「ネギアブラムシ」がつきやすいです。アブラムシ類とは、植物や野菜に群生する昆虫で、体は小さく、1~4mmほどしかありません。しかし、群れになって植物を襲うので大きな被害を受けます。アブラムシ類が植物につくと、植物は汁を吸われて成長が止まり、やがて枯死します。また、アブラムシ類の排泄物に菌が発生し、葉が黒くなることもあります。さらに植物ウイルス病を媒介し、植物を全滅させるなどの被害をもたらすこともあるので、油断ができません。
対処法
- 予防特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのがおすすめです。
- 駆除多く発生している場合は、薬剤を使用ください。
アザミウマ類
ネギ属は、アザミウマ類の中でも「ネギアザミウマ」が発生しやすいです。細長い虫が葉の汁を吸い、葉がカスリ状に白くなります。
対処法
発生初期は、症状が出た部分を排除して様子を見ましょう。症状が広がる場合はできるだけ早く薬剤を使用します。
ハダニ類
ハダニ類は0.5mmと非常に小さく、主に葉裏に寄生しています。梅雨明けから9月頃にかけて繁殖が旺盛になります。雌は交尾しなくても産卵することができるため、一匹いればどんどん増えていきます。また、クモの仲間なので、クモと同様に糸を出します。葉裏に寄生して汁を吸うため、葉に針先でつついたような白い小斑点ができます。数が多くなると白くカスリ状にまとまって見えます。被害が進行するに従って葉色は悪くなり、草花や野菜では落葉して枯れることもあります。
対処法
- 予防特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのがおすすめです。
- 駆除ハダニ類は小さい虫のため、見えないという人もいます。そういった場合、おかしいと思う葉裏に白い紙を置いてみて、息を吹きかけた時に動き回る小さな虫がいたらハダニ類です。糸が絡んでいるときもハダニ類の可能性があります。駆除する場合は、手で捕殺しなくても、水で流すことが可能です。葉の裏側まで洗い流すように勢いよく水をかけましょう。
ヨトウムシ類
夜行性で夜の間に葉を食害。食欲が旺盛で、せっかく育った葉を全部食害される恐れがあります。9月~10月あたりは、特に注意しましょう。
裏に卵を産み、若齢幼虫(5齢幼虫まで)はそのまま葉につき、大きくなる(6齢幼虫以降)と土の中にもぐり夜活動するため“夜盗虫”と呼ばれます。食害されているのに“犯人“を発見できない場合はヨトウムシ類の仕業かもしれません。
対処法
- 予防防虫ネットをかけるのもおすすめですが、ネットをかける前に必ず、あらかじめ害虫がついていないことを確認してください。
- 駆除ネギにつくヨトウムシに適用のある薬剤を散布するか、プランター栽培の場合はプランターごと水浸しにして水没させることでも駆除可能です。苦しくなって浮き上がってきたところを割り箸などで掴み、駆除してください。
※使用回数・使用方法は商品ラベルを確認して正しく使用してください。