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基本情報
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準備・植え付け
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栽培・収穫
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病気・害虫
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よくあるご質問
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この栽培に役立つ情報
基本情報
栽培難易度
ピリッとした辛味が特徴のショウガは、香辛料に調味料に食材にと、様々な場で親しまれています。海外では「ジンジャー」の名で通っていて、お菓子やジンジャーエールの材料として有名ですね。
ショウガは、夏に収穫する葉ショウガと、秋に収穫するショウガ(根ショウガ)があります。若い葉の頃に収穫して白い根の部分を葉ショウガとして食すこともできますが、そのまま育てれば大きく成長した地下茎をショウガとして楽しめます。
- 科名 属名
- ショウガ科ショウガ属
- 収穫までの期間
- 葉ショウガの収穫は植え付けから2~3ヵ月が目安。根を収穫するショウガはさらに2~3ヵ月後、植え付けから5ヵ月頃が収穫時期です。
- 主な病気
- 根茎腐敗病・軟腐病・白星病
- 主な害虫
- アブラムシ類、ヨトウムシ類(ハスモンヨトウ)、アワノメイガ、オオタバコガ
- 生育適温
- 25~30℃
(高温・多湿の環境を好むため、寒さ・乾燥を避ける)
- 必要な栽培スペース
- 深さのある普通~大型サイズのプランターを準備する。
プランターの周囲に約10~15㎝ほど余裕があればOK。
- 水やり
- 乾燥に弱いので、表面が乾いたらたっぷりと水やりをすること。特に夏には朝晩に水やりをし、水切れに注意すること。
- 土
- 弱酸性(6.0~6.5)
栽培スケジュール
画像を拡大する準備
- プランター
- ショウガは土の中で育つので、ショウガを収穫するなら深さのある大きめのプランターを準備します。
- 野菜用の培養土
- 新しい土を使ってください。市販の「野菜用培養土」を使うと手間がかからず、プランターに入れるだけなので簡単です。乾燥に弱いため、保水性の高い土が理想的です。
- 化成肥料
- 元肥タイプを使用しない場合に化成肥料を土に混ぜます。また、生育中の肥料として使用します。
- 底石用の軽石+ネット袋
- 水はけをよくするためにプランターの底に入れます。その際、ネット袋があると片づけの際楽なので、ネットに入れて底に浅めに敷きます。
植え付け
1. 種ショウガの準備
購入時のポイント
ショウガは種ショウガから育てます。植え付けが始まる4月頃から流通が始まりますので、次のポイントに注意して選びましょう。
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みずみずしさがあり、色ツヤの良いもの
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変色したり、傷ついたりしていないもの
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しっかり芽がついているもの
種ショウガの塊が大きい場合は、芽が2~3個ついた状態で切り分けておきます。
2. 種ショウガの植え付け
プランターの準備
底石用の軽石をネットに入れて、軽く水で洗いプランターの底に薄く敷いてください。
それから、土をプランターの8分目程度を目安に入れてください。
先に水を十分かけて、土を潤しましょう。
植え付けのタイミング
ショウガは気温が高くなる4月下旬〜5月頃、15℃以上になってから植えつけます。
植え付けの手順
- 手で深さ10cmの穴を、20~30cm間隔で掘ります。
- 種ショウガを新芽を上にして横に寝かせて置きます。
- 置いた種ショウガの上に5cmほど土を盛り、手のひらでしっかり上から押さえておきます。
水やり
ショウガは水を必要とする植物なので、プランター栽培では土の表面が乾いたら、下から水が出るまでたっぷりと水やりをすること。
特に気温の上がる夏には朝晩に水やりをし、水切れに注意してください。
栽培
1. 土寄せ
植物の株元に土を寄せて盛ることを土寄せといいます。根が露出するのを防ぎ、育った植物が根元から倒れてしまうのを防ぎます。
方法
茎が3本ほど出たタイミングで、株元へ3~4cm程度の厚さで土寄せを行います。表面の土を、葉にかからないように盛ります。これにより日光に当たって生姜が緑色になってしまう事を防ぎます。
次の土寄せは草丈が30cmほどになる頃、追肥と同じタイミングで行うと良いでしょう。
2. 追肥
方法
1回目の追肥は土寄せと同じ頃、茎が出そろい始めた6月頃に行います。 化成肥料を株元の土に混ぜますが、この時ショウガに直接、化成肥料が直接当たらないように注意します。
2回目の追肥は、7月下旬~8月初旬頃が良いでしょう。
収穫
葉ショウガの収穫
7~8月頃には、葉ショウガとして収穫できます。葉が7~8枚程度、根も少し大きくなっていたら収穫のタイミングです。
葉ショウガとして収穫するときは、茎の根本を持ってしっかりと株全体を土から引き抜きます。この時、種ショウガを傷つけないようにしましょう。
ショウガ(根ショウガ)の収穫
9月に入る頃には葉の色が変化してきます。10月になり葉先が黄色くなったら収穫のタイミングです。根育った茎を傷つけないように、根の下から掘り上げるように丁寧に掘り出します。
この時、種ショウガも一緒に掘り出します。新しい根よりも固いですが、薬味などにして活用できます。
10℃以下になると根茎が悪くなってしまうため、霜が降りる前には必ず収穫しましょう。
保存方法
湿らせた新聞紙やキッチンペーパーなどで包んで15℃程度を保てる場所で保管しましょう。
発泡スチロールなどの箱を活用するのもおすすめです。
病気
根茎腐敗病・軟腐病・白星病
根茎腐敗病
茎部分に病斑がでたり褐色に変色したりし、葉は黄色くなります。症状が進むと、根茎も腐敗します。
軟腐病
地際部などが褐変しべとべとに腐敗して、独特の悪臭を放ちます。
白星病
葉の表面に淡黄白色の斑点ができ、病斑の裏に白カビが生えます。
対処法
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予防
病気の原因になりやすい過湿を避けることが大切です。水はけの良い土で、風通しの良い場所に置いて育てましょう。
またショウガの病気は連鎖障害で発生することもあるため、連作をさけて、同じ場所に植える時は最低4~5年間隔を空けるようにします。 -
対処
発生初期は、症状が出た部分を排除して様子を見ましょう。症状が広がる場合はできるだけ早く薬剤を使用します。
害虫
アブラムシ類
アブラムシ類とは、植物や野菜に群生する昆虫で、体は小さく、1~4mmほどしかありません。しかし、群れになって植物を襲うので大きな被害を受けます。アブラムシ類が植物につくと、植物は汁を吸われて成長が止まり、やがて枯死します。また、アブラムシ類の排泄物にカビが発生し、葉が黒くなることもあります。さらに植物ウイルス病を媒介し、植物を全滅させるなどの被害をもたらすこともあるので、油断ができません。
対処法
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予防
特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのがおすすめです。
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駆除
多く発生している場合は、ショウガのアブラムシ類に適用のある薬剤を使用ください。
ヨトウムシ類
夜行性で夜の間に葉を食害。食欲が旺盛で、せっかく育った葉を全部食害される恐れがあります。9月~10月あたりは、特に注意しましょう。
裏に卵を産み、若齢幼虫(5齢幼虫まで)はそのまま葉につき、大きくなる(6齢幼虫以降)と土の中にもぐり夜活動するため“夜盗虫”と呼ばれます。食害されているのに“犯人“を発見できない場合はヨトウムシ類の仕業かもしれません。
対処法
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駆除
ショウガにつくヨトウムシ類に適用のある薬剤を散布するか、プランター栽培の場合はプランターごと水浸しにして水没させることでも駆除可能です。苦しくなって浮き上がってきたところを割り箸などで掴み、駆除してください。
※使用回数・使用方法は商品ラベルを確認して正しく使用してください。
アワノメイガ
アワノメイガはその名の通り、ガの仲間です。体長は数mm~数cm程度で、黄白色の幼虫が最初は葉を食べてカスリ上になりますが、その後は茎の中にまで入り込み食害します。
近くでトウモロコシなどのイネ科作物が植えられていると、被害が多くなります。
対処法
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駆除
幼虫をみかけたらすぐに駆除しましょう。
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予防
特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのがおすすめです。
オオタバコガ
オオタバコガはガの幼虫の一種で、体色は淡緑色や濃褐色など。成長すると体長40mm程度になり、所々生えた長い毛が見られます。
野菜の葉や新芽、果菜類の果実を餌にできる広食性の害虫です。とても繁殖力の強い害虫ですので、早めの対処が必要です。
対処法
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駆除
幼虫をみかけたらすぐに駆除しましょう。